受け継がれる階層
2005年 04月 07日
それについて自分でもいろいろ考えてみたいんだけど、入力された見識が頭の中でまだ上手く処理しきれていないのでまとまらない。
でも、他に書くネタがないので、てきとーにアウトプットしてみよう。
とりあえず、『内田樹の研究室: 階層化=大衆社会の到来』の内容を読んで、非常に薄ら寒い気持ちになった。
「子どもの学力は母親の学歴と相関する」という。
なぜなら、とりわけ「努力する能力」はあきらかに出身階層の属性要因の影響を受けるからである──と。
納得できる話です。
そりゃ個々で見れば例外もたくさんあるでしょうが、全体の傾向としてはそうなるでしょう。
ならば。
「努力する能力」は仕事での成功にも必要不可欠なものですから、その結果としての収入も、出身階層の属性要因の影響を受けると言えます。
で、収入がそのものズバリではないとしても、単純に収入イコール階層として考えると、人間が到達しうる階層は出身階層の影響を受ける──つまり、出身階層以上の階層にはなかなか到達し得ないのではないか。
それってつまり、「出身階層の属性要因」を子孫代々引き継いで行くってことになりますよね。
もちろん個々のケースで揺らぎはあるでしょうけど、全体として見れば、金持ちの子供は金持ちに、貧乏人の子供は貧乏人になる可能性が高い。
そして、金持ちは金持ち同士結婚し、貧乏人は貧乏人同士結婚する。
階層は容易に交じり合わない。
どこまでもどこまでも、まるで封建時代の階級制度のように子孫代々受け継がれて行く・・・。
はたして、この階層格差は縮まるのか?
縮まれば、階層間の行き来は容易になるでしょう。
でも、イメージとしては、格差が縮まる力より広がる力のほうが強そうです。
お金は、お金のあるところに集まるって言いますからね。
資本がなければ、才覚があってもなかなか金儲けは出来ないもんです。
そして思うのは、今現在格差がじわじわ広がっているとして、広がりが大きくなればなるほど、広がる力は加速度的に大きくなるってこと。
それがある一点を超えた瞬間に、格差は爆発的に二分化・二極化するんじゃないだろうか。
そのときを想像すると、めちゃくちゃ怖ぇ。
社会はいったいどーなっちゃうんだろう?
きっと、日本のあちこちにスラム街とか出来るんだろうなぁ。