世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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不倒城: 魔王のマネジネント能力について。

RPGで「なぜ魔王は世界を征服できないのか?」という思考遊びが盛り上がっているので、便乗。
ぼくとしては、「そもそも魔王に世界を征服する気はない」説を主張したい。

たとえば現代において、森を切り拓き、獲物を狩り、己の活動圏を貪欲に広げる我々人間は、動物たちから見れば「世界を征服しようとしている」ふうに映るのではないか。
あるいは現状で既に、我々人間自身、世界を征服し終わった気でいるのかも知れない。

つまり、なにを持って世界征服完了とするかという問題になってしまうわけだけど、少なくとも、人間をすべて根絶やしあるいは奴隷化することが魔王の目的かというと、どうだろう。
人間は今動物たちと共存しているつもりでいるけど、動物たちからしてみれば征服されていると見るかもしれない。

RPGにおけるモンスターと人間の関係も、同じなのではないか。

まぜ魔王は勇者旅立ちの地には弱いモンスターしか配備しないのかという問題も、なぜ人間は動物たちとの境界付近に強力な軍隊を配備しないのかと考えれば納得がいく。
そりゃ、人食い虎が出たとなれば軍隊を派遣して退治することもあるけど、基本的に、人間は動物と共存しているつもりでいるからね。
軍隊を配備するというのは、魔王にとっての人間が、人間にとっての動物が、敵対関係かつある程度以上の脅威になって初めて行われることです。

魔王の城近くに強力なモンスターが集まり、人間社会との境界付近に近づくに従って弱いモンスターばかりになる理由は、たぶんモンスター社会の弱肉強食のせいじゃないかと思います。
モンスターたちだって何かしらの経済活動を行っているわけで――それは単純に獲物の取り合いということでもいいですけど――そうすると、魔王の城近くはハイリスク・ハイリターンな経済圏ゆえに力の有るモンスターが集まり、人間社会との境界付近は、モンスターにとってローリスク・ローリターンであるがゆえに弱いモンスターが集まるということじゃないかと思います。

「そうは言うけど、ゲームの中の魔王は世界征服する気満々じゃん」と思うかもしれない。
でも、そもそも、魔王が世界を征服しようとしているという情報は、誰が語るものですか?という疑問がありますでしょう。
魔王自身が語っているケースも多いかと思いますが、根源的な疑問として、人間とモンスターとで言葉通じるんでしょうかね。
魔王がモンスター語で「ガオガオ」言っているのを聴いて、人間が勝手に「俺は魔王だ。人間どもは皆殺しだー(意訳)」と受け取っているだけかもしれないですよ。

さらにいえば、RPGが「ドキュメンタリー」ではなく「物語」だとするなら、皆さんご存じのとおり、物語というのは勝者の都合で書かれるものです。
たとえば日本でも昔々の蝦夷討伐の物語は、悪い魔物を勇者が討ち払う物語だったんじゃないですかね。
もし動物たちの中から勇者が現われ人間を打ち滅ぼしたとしたら、その物語は「魔物退治」の物語になるでしょう。

といった感じで、「魔王の目的は世界を征服すること」という前提を取り除いて見れば、RPGの中の世界も、わりと普通の生態系のお話で説明がつくんじゃないかという気がします。
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by kude104 | 2007-07-21 16:10 | ゲーム