世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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ケータイ小説選定に賛否 滋賀県教委の中高生向け読書ガイド(京都新聞) - Yahoo!ニュース

ケータイ小説をきちんと読んだことはないのだけど、先入観としては、ケータイ小説から一般小説へのステップアップってあまり期待できないように思うのだけどどうなんだろう。
ケータイ小説って、「小説」とはいえ、一般小説よりもむしろケータイメールに近い気がするんだよね。
だったら、絵本のほうが、意外と小説へのステップアップの道筋としては近い気がするなぁ。
大人向けのおしゃれな絵本を薦めておけば、いいんじゃないだろうか。

それはそれとして。
たとえばぼくが、これまで読書に興味のなかった子どもに薦める一冊を選ぶとしたら。
こんなのはどうだろうね、「小説 となりのトトロ」

まず、「となりのトトロ」と言えば、たいてい誰もがアニメで観て知っているだろう。
しかも、たいていの子どもが好きな作品じゃないかと思う。
その「トトロ」の小説版ですよ、と。
しかも、小説版には映画版にはないエピソードなども描かれているんですよと言えば、どうだろう、普段まったく本を読まない子どもでも、ちょっと読んでみたいって思ってもらえるんじゃないだろうか。

しかもこの小説、対象年齢はたぶん小学校中学年くらいだろうか。
つまり、文章が平易で読みやすい。
これなら読書が苦手な子どもでも、まぁどうにか読めるんじゃないだろうか。

で、ここが重要なんだけど、アニメ版を観て小説版を読むことで、同じ作品でもアニメにはアニメの、小説には小説の良さや表現があるということを感じてもらえるんじゃないかと。
読書の楽しさを知るには小説というものの楽しさを知るのが一番で、それにはこういう比較が一番わかりやすいのではないかと思う。

これで「トトロの小説面白かった」となれば、お次は「魔女の宅急便」にでも進んで、そうやっているうちに気がつけば読書そのものが好きになっているんじゃないかな。

まったく取っ掛かりのないところから読書を薦めようとしても難しい。
なので、すでに子どもが好きなこと、興味のあることに関連したところから攻めるのがいいと思う。
たとえば、子どもはたいていゲームが好きだから、なにかRPGの小説版でもいいし、あるいは小説にこだらわずにゲームの製作ドキュメンタリー的な本なんかでもいいよね。

ま、思春期の男の子なら、エロ小説与えとけば、貪るように読むけどね。
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by kude104 | 2008-11-06 22:41 |
新潮文庫出版、恩田陸著「夜のピクニック」を読了しました。
第2回本屋大賞を受賞したというだけあって、なるほど、とてもいい小説でした。

内容は、とある高校で行われている「歩行祭」というイベントを舞台にした青春物語です。
歩行祭というのは、全校生徒が朝の8時から翌朝の8時まで夜を徹して80キロを歩き通すという学校行事で、なんだか24時間テレビの100キロマラソンのようなイベントです。

そんな無茶苦茶な行事、いくらなんでも実際にはないだろう、作者の考えたフィクションだろうと思っていたら、作者の高校で実際に行われていた行事だそうです。
すごいね。
そんな過酷なイベント、よくやるよ。
参加する(させられる)生徒も大変だけど、運営するほうも大変そうです。
ぜったい何人か、途中で逃亡しそうじゃないですか。
よくきちんと統率できるもんだなぁと感心します。

で、物語としては、主人公たちがこの歩行祭をスタートしてゴールするまでの様子を、わりと淡々と描いたものとなっています。
べつに、なにかすごいドラマチックな出来事が起こるわけではないけれど、でも、そもそも歩行祭というイベント自体が十分ドラマチックですから。
高校三年という多感な時期に、友達と夜通し歩き通すというそれだけで、十分ドラマチックじゃないですか。

歩きながら見る景色や、友達とのたわいの無い会話。
それらを楽しみながら、あるいは歩き疲れて苦痛と戦いながら、ふと気がつけば、一歩一歩確実に「このとき」が終わりが近づいているという感じ。
この歩行祭というイベントは、青春そのものだよなぁと感じます。
うまいイベントを考えたものだと思いますし、うまい題材を小説に持ってきたなと思います。

この物語のもうひとつの軸として、二人の主人公の関係性が、この歩行祭の間にどう変化するのか、あるいはしないのかという物語が紡がれます。
その二人の主人公というのは男の子と女の子なんですけど、普通ならこれを恋愛話に持っていくじゃないですか。
でも、「夜のピクニック」では、この二人はクラスメイトの誰にも言えないある秘密(家庭の事情)を抱えていて、それゆえお互いがお互いを避けています。
顔も合わさない、口も聞かないような関係です。

この二人の関係性が物語にひとつの緊張感をもたらしていて面白いですね。

まぁ、青春小説というには美しすぎるというか、青春ってもっとドロドロしていたりスカスカだったりするもんだと思いますけど、その上澄みの美しいところだけを描いたような感があって、人によっては物足りないかもしれませんけど。
でも、ノスタルジーというか、大人になったぼくらがあの頃を振り返って憧憬する、そんな物語なので、それはそれでやっぱり心地いいです。

感動するというより、心が洗濯されてさっぱりするような、そんな小説でした。
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by kude104 | 2006-09-18 23:59 |