世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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前回の続き。
中古本屋に侵食されて、新品本の売り上げが落ちる~と嘆くなら、出版社自身が中古本屋を営んで、落ちる売り上げをカバーすればどうだろうというお話。
これなら、自分のところで売った分だけとはいえ、中古本の売り上げデータがきちんと手元に残るので、それも含めて作家に原稿料を支払えます。

ただ、自ら中古本屋を営もうとも、いずれにしても新品本を売らないといけないのは変りのないことで、そのための工夫が要ります。
出版社自身が「新品本売れないし、これからは中古本販売専門でやろう」なんて結論に到達しちゃったら、本末転倒も甚だしいですし。

これはたとえば、新品本の発売から3ヵ月~6ヵ月くらいでしょうか、その間は中古本としての販売を行わない、という対処法が考えられます。
さらに言えば、すでに中古本市場に流通している本が何かの拍子で注目され、突然大きな需要が湧くケースもあるでしょう。
そんなときは、意図的に中古本屋でのその本の販売量を制限することで、普通の店頭での新品本としての売り上げを期待するという手も考えられます。

こういったコントロールが可能なところが、出版社自身が中古本屋を営むことの強みです。

もちろん、強力なライバルとなる中古本屋がいるとそのへんのコントロールは鈍りますから、ライバルつぶしの策が必要です。
これにはたとえば、本にはよく他の新刊本の案内などの広告チラシが挟んでありますが、自身の営む中古本屋の広告チラシを同様に挟むという手がなかなか有効ではないでしょうか。
出版社自身が営む純正(?)の中古本屋というブランドと知名度は、大きなアドバンテージになりうるでしょう。

加えて、もし可能であれば、全国の一般書店と提携できると理想的です。
本の買い取りを、近所の本屋さんに代行してもらうわけです。
買い取りにおいて難しいのは本の買い取り価格の査定ですが、これはブックオフ方式というか、基本的に一律な買い取り価格を設定することで作業的に買い取れるようにしておきます。
よって、本屋さんは客から本を受け取って、作業的に買い取り価格を計算して、買い取るだけです。
買い取った本は、すぐさま出版社に送ることで、在庫管理等のコストも必要ありません。
それできちんと出版社からマージンが出れば、これはそう悪くない話じゃないでしょうか。

なにより、客が本屋に足を運んでくれるだけでも、本屋さんとしてはチャンスです。
買い取ってもらって得たお金で、新しい本でも買おうという客もいるでしょう。
また同じように買い取ってもらえばいいやと思えば、財布のひもも緩むでしょう。

中古本の購入も、ネットで注文して近所の本屋さんで受け取るようにすれば、従来の書店販売網をそのまま中古本販売網として活用できるので、一気に全国展開が可能となります。
そして、客は書店で新品本を買い、読み終わると書店で買い取ってもらい、購入した中古本を書店で受け取るという具合に、書店を中心にした本のライフサイクルというかリサイクル循環が生まれます。
これはおそらく、本屋さんにとって、そう悪い状況ではないでしょう。

出版社は中古本市場からの売り上げが自社に入って嬉しい、作家は中古本市場での売り上げも原稿料に反映されて嬉しい、本屋さんは中古本市場との共存共栄がなって嬉しい――という具合に、売り手側にとって悪くないアイデアじゃないかと思うのだけどどうだろうか。
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by kude104 | 2007-05-15 23:21 |
MORI LOG ACADEMY: 中古品の著作権

森さんもおっしゃるように、どんなものにも中古品市場はあります。
それでも、他の中古車や中古品販売ではそうでなくとも、本については「中古品でも売るときには、コンテンツに対する著作権料を支払うのが道理ではないだろうか」という話が出てくるのは、本という商品の特殊性によるものだろうと思います。

本という商品が真に売っているのは「本」という物品ではなくて、中身たる「物語」です。
加えて、1冊の本がもたらす読書体験は、ほとんどの場合1回限りのものです。

つまり、一般的には、本という物品を「所有」するために本を買うわけではない。
本に書かれている物語なり情報なりを「読む」ために買う。
そして、読み終わると、多くの本は「用済み」です。
もちろん、中には何度も読み返したくなる本というものもあり、そういった「本」は所有していたいと思いますが、逆に言えば、2度読まない本は所有する必然性がないのです。

所有願望さえなければ、新品を買って本棚の肥やしにするのも、中古で買って読み終わったら売り払うのも、読書体験としては同じです。
しかも、経済的には後者のほうがお得です。

本が持つそうした商品的欠陥(売り手から見た欠陥)について、売り手側が無自覚なはずがありません。
かつては流通面で新品市場と中古品市場とに圧倒的な差があったので、それ込みで新品の価値が保たれているところがありましたが、今やそれも危うくなりつつあります。
そうした現状にあって、売り手側の危機感たるや容易に想像がつきます。

その危機感が「中古品でも売るときには、コンテンツに対する著作権料を支払うのが道理ではないだろうか」という主張になるのではないかと思うのですが、当の森さん自身は、「自分の本が中古で売られようが、図書館でただで読まれようが、まったく気にならない」と仰っているので、違うのかも知れません。
でも、一般的には、中古品市場に新品市場が侵食されることの危機感が、「中古品市場にも補償金制度を」みたいな発言になるのだと見て間違いないでしょう。

だったら、出版社自身が自分のところの本を専門に扱う古本屋を営めば面白いんじゃないだろうかと思いついたんだけど、これについてはまた別にエントリーを立てて書こうと思います。
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by kude104 | 2007-05-13 16:34 |