世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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カテゴリ:本( 49 )

新潮文庫出版、恩田陸著「夜のピクニック」を読了しました。
第2回本屋大賞を受賞したというだけあって、なるほど、とてもいい小説でした。

内容は、とある高校で行われている「歩行祭」というイベントを舞台にした青春物語です。
歩行祭というのは、全校生徒が朝の8時から翌朝の8時まで夜を徹して80キロを歩き通すという学校行事で、なんだか24時間テレビの100キロマラソンのようなイベントです。

そんな無茶苦茶な行事、いくらなんでも実際にはないだろう、作者の考えたフィクションだろうと思っていたら、作者の高校で実際に行われていた行事だそうです。
すごいね。
そんな過酷なイベント、よくやるよ。
参加する(させられる)生徒も大変だけど、運営するほうも大変そうです。
ぜったい何人か、途中で逃亡しそうじゃないですか。
よくきちんと統率できるもんだなぁと感心します。

で、物語としては、主人公たちがこの歩行祭をスタートしてゴールするまでの様子を、わりと淡々と描いたものとなっています。
べつに、なにかすごいドラマチックな出来事が起こるわけではないけれど、でも、そもそも歩行祭というイベント自体が十分ドラマチックですから。
高校三年という多感な時期に、友達と夜通し歩き通すというそれだけで、十分ドラマチックじゃないですか。

歩きながら見る景色や、友達とのたわいの無い会話。
それらを楽しみながら、あるいは歩き疲れて苦痛と戦いながら、ふと気がつけば、一歩一歩確実に「このとき」が終わりが近づいているという感じ。
この歩行祭というイベントは、青春そのものだよなぁと感じます。
うまいイベントを考えたものだと思いますし、うまい題材を小説に持ってきたなと思います。

この物語のもうひとつの軸として、二人の主人公の関係性が、この歩行祭の間にどう変化するのか、あるいはしないのかという物語が紡がれます。
その二人の主人公というのは男の子と女の子なんですけど、普通ならこれを恋愛話に持っていくじゃないですか。
でも、「夜のピクニック」では、この二人はクラスメイトの誰にも言えないある秘密(家庭の事情)を抱えていて、それゆえお互いがお互いを避けています。
顔も合わさない、口も聞かないような関係です。

この二人の関係性が物語にひとつの緊張感をもたらしていて面白いですね。

まぁ、青春小説というには美しすぎるというか、青春ってもっとドロドロしていたりスカスカだったりするもんだと思いますけど、その上澄みの美しいところだけを描いたような感があって、人によっては物足りないかもしれませんけど。
でも、ノスタルジーというか、大人になったぼくらがあの頃を振り返って憧憬する、そんな物語なので、それはそれでやっぱり心地いいです。

感動するというより、心が洗濯されてさっぱりするような、そんな小説でした。
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by kude104 | 2006-09-18 23:59 |
以前に話題にしました「発見。角川文庫」のブックカバーですが、ようやく先日手元に届きました。
前回、「7種類のデザインの中から、どれを選んだかは後日のお楽しみ」と引っ張りましたんで、今回はその答えあわせということで。

いきなり答えを書きますと、ぼくが選んだのは「スヌーピー」と「ケロロ軍曹(緑)」です。
・・・読みやすいですよね。
ぼくがどういう思考を経てこのふたつに至ったか、我ながら実に読みやすいチョイスです。

キャラクターものの中では、スヌーピーが一番無難だと思ったわけです。
この中じゃ、一番市民権を得ていると言っていいんじゃないでしょうか。
子供から大人まで、男性でも女性でも、誰が持ってもそれほど違和感の無いキャラクターですし、ブックカバーのデザインとしても、まぁまぁ悪くないし。
ということで、ひとつめは「スヌーピー」をチョイスしました。

さて、もうひとつ何を選ぶかです。
それなりに無難なチョイスとして「スヌーピー」を選んだので、残るひとつは、多少攻めてみてもいいかなと考えました。
と言いつつ、それでケロロ軍曹を選ぶところが、我ながら実に分かりやすいですね。
予定調和な“攻め”です。
しかも、「緑」と「水玉」のどちらを選ぶかで、無難な「緑」を選んでいるし。

──とまぁ、そんなこんなでこの2つを選んだのですが、今現在手元にあるのは「ケロロ軍曹(緑)」だけです。
実は、同じ日に申し込んだのですが、「スヌーピー」はまだ届いていないのです。
「ケロロ軍曹」は届いてすでに1週間ほどになるというのに。

「スヌーピー」は人気で品薄のために発送が遅れているのかもしれませんが、もしかしたら、同じ日に続けて2つ申し込んだので、先に申し込んだ「スヌーピー」がキャンセル扱いになってしまったか、あるいはなんかゴチャゴチャになって忘れられているのではないか・・・?という不安がそこはかとなく漂います。

うーむ。
このまま届かないとなると少々気分悪いですが、とはいえ、問い合わせたり催促するほど欲しいわけでもないしなぁ。

届いてさっそく「ケロロ軍曹」のブックカバーを使ってみたのですが、まぁ、デザイン的には思っていた以上に良かった。
色合いがWebのサンプルで見るより鮮やかで、悪くない。
けっこう気に入った。
でも、素材がビニールなんで、浮き輪みたいなニオイがするし、肌触りがペタペタするしで、早い話が安っぽい。
しかも、本の厚さがある程度以上になると、使えない。

本を買えばたいていカバーを付けてくれるんで、わざわざそれを外して付け替えるほど嬉しいものかというと、そうでもないよなぁというのが正直なところです。
ですから、「スヌーピー」があっても使わないだろうと思うので、来ないなら来ないでいいかなーと思ってしまいます。

ただ、貰えるはずのものが貰えないというのは、べつに要らないのに、なんか損をした気分ですねぇ。
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by kude104 | 2006-09-12 23:59 |
本日それがし、角川文庫のブックカバーを希望した次第でござる。

対象商品を2冊買うともらえるのですが、「DIVE!! 上下」と「ブレイブ・ストーリー 上中下」であっさり5冊です。
4冊使って、ブックカバーが2個もらえます。

で、こちら http://www.kadokawa.co.jp/dis/bookcover/ にそのブックカバーの写真があります。
デザインは7種類あり、その中から2つを選べるわけですね。
さあ、どれを選ぼう。
あなたなら、どれを選ぶ?

全体的に、個人的には正直ちょっと子供っぽいかなぁという印象です。
やっぱりほら、電車の中で使ったりするわけじゃない。
電車の座席に腰掛けて、こう、すっと本を取り出してですね、静かに読書をするわけです。
ちょっと難しい顔をしたりして。
なのに、ブックカバーはケロロ軍曹──とか、ヤバくない?
女子中学生じゃあるまいし。
ええ歳したおっさんがマヤマックスのブックカバーとか、可笑しくない?
大丈夫?

かといって、無地の「発見。オリジナル」デザインは、これまた無難すぎて。
この中からこのデザインを選んじゃうあなたって、なんて面白味のない人間なのって声が聞こえてきそうです。
そうやって、あなたはこれまでもこれからも、冒険のない無難な人生を歩むのね、みたいな。
この無地のデザインのカラーバージョンが複数あれば、迷わずその中から選ぶんだけど、このラインナップの中では明らかに浮いている。

こういうときのぼくは、なにかこう、「この中から好きなデザインをひとつ選んでください。Aを選んだあなたは・・・」みたいな心理テストをやらされているような、あるいはセンスを試されているような、妙なプレッシャーを感じてしまうのですよ。
だって、もし自分が街中で、この中のどれを使っている人を見かけたら、「なるほど、この人はこれを選ぶのか」って思っちゃうもん。
ましてやそれが、この無地デザインだったら・・・ねぇ?
「ああー、やっぱりこの人、キャラクターものは選べなかったのか」って思っちゃいますよねぇ。

そんなふうに、たかがキャンペーンの景品選びに、無駄に悩んでしまいました。
で、結局最終的にどれを選んだかは、ヒ、ミ、ツ。
正解は、現物が届いたときにでも──って、引っ張って盛り上げるほど、答え合わせは面白くも何ともないですけど。

率直な話としては、宮崎あおいさんの写真がプリントされたブックカバーが欲しかったです。
上記のページにあるカバを抱いた写真とか、実にかわいい。
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by kude104 | 2006-08-24 23:59 |
PHP文庫、北方謙三著「楊家将」を読了。
なんとなく歴史小説が読みたくなって、本屋でたまたま手に取った本でしたが、非常に面白かったです。
さすが、吉川英治文学賞受賞は伊達じゃないな。

中国では「楊家将」は、三国志、水滸伝と並び人気のある物語だそうですが、日本ではまったく無名ですよね。
それもそのはず、日本で「楊家将」が小説になったのは、この「北方楊家将」が初めてだそうです。

物語の舞台は、中国「宋」の時代の初め(960年ごろ)頃。
宋と、北方騎馬民族の国「遼」との戦争の物語です。

主人公は宋の武将「楊業」です。
彼は楊家軍という、宋の中にあって最強の軍隊を率いた武将でした。
味方だけでなく敵からも「楊無敵」と称された軍事の天才として描かれます。
ただ、宋に在って、彼の立場は外様でしたので(もともとは北漢から宋に降った)、宋軍という組織の中では常に難しい立場に立たされてしまいます。

楊業は生粋の武人で、帝に対する忠義も厚く、戦えば最強。
そんな彼が、言わば政治的な思惑の中で不自由を強いられ、思うように戦えない。
その歯がゆさが、この物語を非常にドラマチックにしています。
つまりは、それが楊業を「悲劇の英雄」にしているわけです。

対する敵国の遼にも、耶律休哥という軍事の天才がいて、楊家軍の前に立ちはだかります。
言わば、最強のライバルですね。

「北方楊家将」の面白いところは、敵国である遼の登場人物たちも、非常に魅力的に描かれていることです。
この小説を、遼の、耶律休哥の物語として読むことも、十分に出来るくらいです。

これ、いちおう史実に基づいた物語なので、初めから結果がネタバレになっているようなものです。
でも、ほとんどの人がそうだと思いますが、ぼくはこの時代にまるで詳しくありません。
ですから、正直、物語がどう展開するのかまったく分からず、手に汗握りながら読みました。
こういうときは、無知ってのは得ですね。

ただ、途中で先にあとがきを読もうとして、ネタバレっぽい記述が目に入り、慌てて閉じたんですが危なかったです。
歴史小説にネタバレもへったくれもないとは言え、先に知ってしまったら、やっぱり興醒めしちゃいますからね。

とまぁ、三国志が好きな人なら、間違いなく楽しめるはず。
人間ドラマも面白いですし、戦いの描写もリアルで迫力があって面白い。
なにより、やはり、英雄譚というのはかっこいい。

先日、このブログで誇りだなんだと書いたのは、この本の影響です。

楊業自身もそうですが、楊業には7人の息子がいて、それぞれが楊家の男子であることの誇りを持って戦場を駆け巡るわけですよ。
兵もまた、楊家軍の兵であることに誇りを持って戦うわけです。
楊家軍であることの誇りは、彼らを戦場のもっとも過酷な場所に率先して向かわせます。

方や、潘仁美・藩章という宋の名門の親子が登場します。
彼らの「名門である」という誇りは、彼らを死地へは向かわせません。
彼らは、ただ気位が高いだけです。

こういう物語を読むと、自分も誇り高くありたいものだと思いますね。
ま、実際には、ぼくはたぶん調練で死んじゃう名も無き兵士だろうけど。
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by kude104 | 2006-08-07 23:59 |

完璧なる「DIVE!!」

角川文庫出版、森絵都著「DIVE!!」を読了しました。
これは文句なしに面白い。

一言で言えば、飛込競技を題材にしたスポコン青春物語ってことになるでしょうか。
とにかくまず、「飛込競技」って題材が新鮮でいい。
もちろんぼくは、飛込競技のことなんてほとんど何も知らないわけで。
それだけに、自分の知らない世界を見せてくれるんじゃないか・・・という好奇心が刺激されます。

実際、本書で描かれる飛込競技というのは、実にドラマチックです。
10メートルの高さからプールに向けてダイブする。
その間、わずか1.4秒。
気が遠くなるほど練習して練習して練習して、すべてを懸けて練習したその成果が、わずか1.4秒で決する。
なんてドラマチックな競技でしょう。

そしてなにより、個人競技ってのがいい。

スポコンものといえば、たいてい団体競技ですよね。
主人公がいて、チームメイトがいて。
彼らはときに支え合い、ときに反発し合い、ときにはお互いをライバルとして切磋琢磨しながら、友情を育みチームの絆を強くして、そしてチームとして試合に臨み、みんなで勝利する──ってのが、スポコンものの黄金パターンでしょう。
つまり、全員が勝利者になれる。

でも、個人競技では、勝利者はたった一人だけです。
主人公がいて、仲間がいて。
彼らはときに支え合い、ときに反発し合い、ときにはお互いをライバルとして切磋琢磨しながら、友情を育み仲間の絆を強くして、でも、個人として試合に臨み、勝つのはただ一人だけ。
なんいう残酷なドラマ性!

本書には、要一、飛沫、知季という3人の主人公が登場します。
彼らはまるでトライアングルの形に配置されているかのように、性格も違えばダイブも違う。
でも、三人が三人ともそれぞれに魅力的な個性として描かれています。

ですから、読んでいると三人ともに気持ちが入っちゃうんですよ。
「DIVE!!」は四章構成になっていて、一章が知季、二章が飛沫、三章が要一の物語となっています。
そこで読者は、彼らの飛込みにかける情熱と血の滲むような努力、そして葛藤と覚悟を見せつけられます。
そうして三章をかけて三人の主人公の物語を描いた後、まとめとなる四章が、彼らの夢であるオリンピックへの出場権をかけた代表選考会の試合です。

もうね、憎たらしいくらいに上手い構成ですよ。
オリンピックに出場できるのは一名だけ。
つまり、三人の主人公のうち、勝つのは一人だけで、残りの二人は負けるんです。
言いかえるなら、これは「主人公が負ける物語」なんですよ。
スポコンもので、「努力、友情」ときて、その先に「敗北」が待ち受けている物語なんて・・・。

しかも、三人は同じダイビングクラブの仲間で、とても仲がいい。
お互いにお互いを認め合っている。
でも、敵なんです。
仲間であり、同士であり、戦友であり、ライバルであり、敵でもある。
自分の勝利は仲間の敗北を意味するし、仲間の勝利は自分の敗北を意味する。
──そんな容赦のない直球のドラマが、面白くないはずがない。

そして、何より脱帽したのは、こんなにヒリヒリするような展開なのに、ラストは実に爽やかに終わることです。
ワクワクして、ドキドキして、感動して、涙ぐんで、そして爽やかに終わった。

完璧です。
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by kude104 | 2006-07-26 23:59 |

バッテリー V

角川文庫、あさのあつこ著「バッテリー V」を読了。
一日で読んじゃった。
それだけ面白かったということで良いんだけど、なんかあっという間に終わっちゃって勿体無い・・・という気分。

いやはや、相変わらず面白い。
いちおう少年野球の話なんだけど、試合の描写がほとんど無いってのが面白いよね。
言ってしまえば、ピッチャーが投げて、キャッチャーが受ける、その両者間のボールのやり取りの物語です。
まさに、「バッテリー」のタイトル通りですね。

考えてみれば、野球のバッテリーの関係性って、かなり特殊なんじゃないだろうか。
ピッチャーとバッター、もしくは、キャッチャーとバッターの関係性というのは、勝負の世界では普通に良くある。
一対一のスポーツは、たいていこの関係性でしょう。
あるいは、ピッチャーと味方の守備、キャッチャーと味方の守備って関係性も、珍しくない。
サッカーとか、たいていのチームスポーツはこれでしょう。

ピッチャーとキャッチャーもチームスポーツの関係性と言えなくも無いけど、でもちょっと違う感じですよね。
むしろ、ピッチャーとキャッチャーの対決──というふうにも受け取れる。
と、この「バッテリー」を読んでいると思います。

「こんな中学生おらへんで~」と思いつつ、巷にあふれる「少年野球物語」とは一線を画すストイックさが良いよね。
高校生くらいでちょうどいいストイックさだ。

ちなみに、先日サッカーを見ていてふと思ったのですが、長ズボンを履いてやる球技って、もしかして野球くらいじゃない?
あ、ゴルフもあるか。
クリケットもそうかな?

・・・ははーん、棒を使う球技は長ズボンなのか?
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by kude104 | 2006-06-30 23:27 |

一号線を北上したい

講談社文庫、沢木耕太郎著「一号線を北上せよ ヴェトナム街道編」を読了。
やはり旅は良いね。憧れる。

たとえば、ぼくがこうして暮らしている平凡な日常も、旅人の視点から見れば、とてもドラマチックな非日常の世界だったりするのだろうなぁと思うと、けっこう面白い。
沢木さんの本を読んでいると、そういう旅先の日常に身を置くような、そんな旅がしてみたいという気持ちになります。

特に一人旅だと、どうしたって自分との対話になります。
加えて海外旅行だと、日本では当たり前の価値観や固定概念が通用しない出来事が必ず起こる。
それって、すごい。
自分が今まで積み上げてきた価値観が、一旦リセットされるわけだから。
そして、そこから再び構築される価値観、ものの見方、考え方というのは、余分なものが削ぎ落とされた、非常にシンプルで力強いもののように思えます。
まるで心の中に沈殿したものが、旅を通して徐々に洗い落とされてきれいになっていくような。

旅を通して人が再生する、そんなイメージを本書を読んで持ちました。

なので、世の中で行き詰まっている人はね、旅をするといいと思うよ。
人を殺したり自分を殺したり心が壊れちゃう前に、旅をするといいんじゃないかなぁ。
もちろん、誰もがみんな旅で再生できるわけじゃないけど、でも、何人かはそれで救われるんじゃないかと思います。
世界の広さと多様さを知ることは大切だ。

と、かく言うぼくは、海外旅行をしたことが無いんですよね。
なので、上記はすべて想像です。
いつか、死ぬまでに一度は海外旅行をしてみたい。
自由気ままに世界を巡ってみたい。
世の中に有るたくさんのきれいなものや素晴らしいものを見て回りたい。

それが夢ですね。
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by kude104 | 2006-06-28 23:48 |

キーワード占有戦略

今日もまた、「ウェブ進化論」と「グーグル」についての話ですが、この二冊を比べて「ウェブ進化論」が巧いなぁと感心するのは、キーワードの扱いです。
「あちら側」「こちら側」「次の10年」「三大法則」などなど・・・。
“それ”について何か語ろうと思ったときに、キーワードが有るのと無いのとでは大違いです。
同じような内容なのについつい「ウェブ進化論」について語ってしまうのは、そこにキーワードがあるからでしょう。

だいたい、タイトルからしてそうです。
「グーグル」ってタイトルは、検索するのに不利なことこの上ない。
本の「グーグル」について調べたくても、それこそGoogle本体についての情報が混じって上手く行かない。
その点「ウェブ進化論」は、ほとんどノイズが乗りません。

Googleについてはどちらもかなり的確に書かれていますが、その“使い方”を実践として分かっていらっしゃるのは、梅田さんのほうでしょうね。

これから情報を発信して行く上で、「いかに上手くキーワードを付けるかが、より一層重要になりそうです。
いかに的確で人々の口にのぼりやすく、他にヒット数の少ない(つまり自分たちが占有可能な)キーワードを見つけるか・・・という技術が磨かれて行くのではないかと思います。

検索エンジン上で、あるキーワードを自分たちの情報に結びつけることを「キーワードの占有化」と呼ぼう。
そのようなキーワードを「占有キーワード」と呼び、そのような戦略を「キーワード占有戦略」と呼ぶ。

・・・みたいな。
いまのところGoogleで「占有キーワード」「キーワード占有」はヒットしないので、このエントリーがGoogleに拾われれば、ぼくによる占有化成功です。
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by kude104 | 2006-05-26 22:25 |
「ウェブ進化論」と「グーグル」を読んで確信する事柄は、「我々は今、革命のさなかにいるのだ」ということ。
100年後の歴史の教科書には、きっと今の時代に「インターネット革命」か「情報革命」かわかりませんが、そういった言葉が記されていることでしょう。
産業革命が興ったときの人々も、きっと今のぼくらのような気分だったんじゃないかなぁと想像すると、ちょっとドラマチックな気持ちになりますね。
ルネッサンスの三大発明が「活版印刷、火薬、羅針盤」なら、現代の三大発明は「コンピュータ、インターネット、検索エンジン」とかになるでしょうか。

歴史の年表上で、「情報革命」が産業革命の次の一大革命であると位置付けられるのは、おそらく確実だろうと思います。
ただ、この革命はそれだけに留まるものではないかも知れないと、今回「ウェブ進化論」と「グーグル」を読んで強く感じました。
「情報革命」は、産業革命の次の一大革命であると同時に、社会主義革命の次の一大革命になるかもしれない。

産業的な変革と社会的な変革はセットで起こると考えれば、「情報革命」が次の社会的な変革をもたらすことは当然と言えば当然かもしれないけど、「ウェブ進化論」と「グーグル」を読んでいて感じたのは、この「情報革命」そのものが、なにか思想的・イデオロギー的なものを含んでいるような気がするのです。

その印象は特に「ウェブ進化論」のほうで強く感じました。
読んでいて、「当時、社会主義革命の思想を聞かされている人の気持ちって、こんな感じだったんじゃないかなぁ」という気持ちになりました。
主にチープ革命と総表現社会という発想が、既存の産業構造であったり権威であったりを破壊する思想である点。
そして、それによってみんなが幸せになれますよと説くあたりが、なんだか社会主義思想っぽい。

ウェブ進化論で言う「次の10年」には、産業だけでなく社会が大きく変革されるような気がしてなりません。
その変革が成功するか失敗するかは、わかりませんけど。
もしかすると、社会主義革命のように壮大な失敗の始まりかもしれないという不安感は「グーグル」に良く現されているように思います。
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by kude104 | 2006-05-24 21:27 |
文春新書・佐々木俊尚著「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」と、ちくま新書・梅田望夫著「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」は、ペアで読むとさらに楽しめる二冊だと思います。

個人的には、読み物としては「グーグル」のほうが面白かったです。
「グーグル」のほうがドキュメンタリーふうでドラマチックなのに対して、「ウェブ進化論」のほうはスタンダードでオーソドックスな作りでした。
おそらく、「ウェブ進化論」のほうがポイントが整理されて頭の中に入って来やすいですが、「今まさに時代が変わろうとしている!」という危機感めいたものは、「グーグル」のほうに強く感じました。

そう、危機感。
この二冊の違いは、たぶんこのキーワードに集約されるように思います。

「ウェブ進化論」の中で著者の梅田さん自身が書いていらっしゃいますが、「ウェブ進化論」はとにかくオプティミズム(楽天主義)に貫かれています。
「これから社会のルールが大きく変わって、いろいろと古い体制が崩れて行くだろうけど、でも、最終的にはきっと今以上の素晴らしい社会が現れますよ」というメッセージにあふれています。

一方の「グーグル」は、「今こういう大変革が起ころうとしている。それによって、こういう人は恩恵を受け、こういう人は打撃を受ける」といった、事例を紹介する感じで書かれています。
そして、「この先に訪れる未来が良いものになるか悪いものになるか分からないけど、でも、確実にそれは訪れる」というメッセージを感じます。

「ウェブ進化論」で使われている「あちら側(インターネット上の世界)」と「こちら側(リアルな社会)」という言葉で言えば、「ウェブ進化論」は「あちら側」のルールを「こちら側」に分かりやすく伝える書です。
一方の「グーグル」は、「あちら側」が「こちら側」にどのような影響を及ぼそうとしているかについて書かれた書と言えるでしょう。

なので、「グーグル」のほうがリアルな臨場感でぼくの心に迫りました。
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by kude104 | 2006-05-23 23:26 |