世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す

アスキー新書出版、佐々木俊尚著「ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す」を読みました。
感想を一言で述べるなら、肩透かしを食わされた感じ。

「日の丸ITが世界を制す」というタイトルに惹かれて、「ほうほう、いったい日本にどんなすごいIT技術なりサービスがあるのだろう」とワクワクしながら読み進めたわけだけど、簡単に言ってしまえば、まだグーグルの支配が及んでいない分野における検索とデータマイニングなら日本にもチャンスがあるかもねという話でした。
なんというか、実態は検索・データマイニングについてのお話なんだけど、それじゃ読み手の興味を引かないだろうってんで、「ウェブ国産力」というキーワードで味付けして「日の丸ITが世界を制す」なんて煽りタイトル付けてみました――という印象。
見事に釣られたぼくがいる。

とはいえ、この本を読むことで、逆になぜ日本のIT――というか、ぼくの興味対象で言えばネットサービスが世界を制することができないのかがよく分かる。
「日の丸ITが世界を制す」として挙げられている事例がこれじゃあなぁ、と。

検索・データマイニングの話が、おしなべて、広告の話に帰着する。
ブログの投稿記事を解析したりケータイで持主の行動をトレースしたりして、結果何がしたいのかというと、マーケティングデータの収集やユーザに応じた広告を配信しましょうという話になる。
では仮に、そのサービスが日本で成功したので、海外の各国に現地法人を作ってサービス展開しましょうという話になるだろうか。
たしかに、技術が圧倒的で他の追随を許さない程ならば可能性もあるかもしれないけど、基本的には、現地で "よそ者" たる日本企業がいちから営業して広告取ってサービス展開するより、現地の企業が似たサービスを作るほうが勝っちゃうだろう。

世界を制するには、要するに、世界中で使われるプラットフォームを作ることだと思う。
先にプラットフォームを行き渡らせて、その上に広告サービスを展開するならともかく、広告サービスがプラットフォームだと世界制覇はまず無理だろう。
「ウェブ国産力」に出てくる例を見ていると、日本のネットサービスはマーケティング目的で作られているというか、マーケティング目的にしないと金が集まらないのだろうなという印象があって、それじゃ世界は制せないでしょと思う次第です。

あ、でも、第5章の「被災情報収集システム」の話なんかは面白かったです。
これならたしかに世界を制することができるかもしれないと思えるし、世界を制する制しない関係なく、人の役に立つシステムとして期待したいと思える事例でした。
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by kude104 | 2008-01-26 17:49 |