世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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「やっても無駄」という反対意見は採用されない

津田大介の発言に見られる「転がりやすい坂」について突っ込んでおく @蕪浅録奏

予備知識等々なく、このエントリー上でのやり取りだけを見て感想を述べるのですが、山上さんと津田さんのやり取りは、なにかこう、無駄に議論が噛み合っていない気がします。

上記エントリーで引用されている『Ascii.jpの、著作権法改正に反対する記事』のやり取りを整理すると、「Winnyなどを使って、コンテンツを違法に入手している人を取り締まれるようになるのは、一般ユーザーにはあまり関係ないし、逆にいいことではないのでしょうか?」という質問に対して、津田さんが「現状では違法Winnyユーザー狙い撃ちに見えますが、いずれあらゆるユーザーに対象範囲が広がるのは明らかなので、そうなると一般ユーザーも無関係ではいられませんよ」と答えていらっしゃる――という理解で正しいでしょうか。

それに対して山上さんは、「いずれのことはいずれ議論すればいいのであって、現状で違法Winnyユーザー狙い撃ちに限定されているなら、その状態での是非を訊きたい」とつっこまれている――という理解で正しいでしょうか。
すなわち、津田さんが「将来の危険性」を殊更口にするのは、現在議論されている法改正そのものには攻撃すべき「穴」が見当たらないからではないのかと。

これに対する津田さんの返答をコメント欄から読み取ると、おそらく次の2点になるでしょうか。
まず、新たな法改正がなくとも現状の送信可能化権で十分対応可能であること。
そして、新たな法改正の内容では実効性が疑わしいこと。
よって、「そんな法改正はなくていい。やるだけ無駄」というのが津田さんの反対理由であると思われます。

それに対して山上さんは、それは改正「しなくても良い」という消極的反対意見なので、改正「するべきではない」という積極的反対意見を述べて欲しいと再度つっこみます。
それに対して津田さんは、「積極的反対意見は『将来の危険性』です」と答え、これにて見事に堂々巡り完成――といった感じでしょうか。

これだけでも噛み合わないところに、論点を明確にしようとして挙げる話がさらに新たな論点となって、しかもそれもまた噛み合わなくて、正直収拾がつかなくなっちゃっている印象を受けますね。

で、ここからはぼくの感想なのですが、「そんな法改正はやるだけ無駄」という津田さんの反対理由は間違ってないと思うのですね。
でも、それだけだと反対意見として弱いという山上さんの主張も間違ってないと思うのです。

現状、違法ダウンロードが少なからず行われているという事実があって、それをどうにかしたいと切実に願っている人たちがいて、世間的に違法ダウンロードを野放しにしておくわけにはいかないという正義がある。
そういう状況をなんとかしようという人たちを相手に、彼らが考えた案に対して、「やっても無駄」という反対意見が支持を集めないだろうことは容易に想像が付く。
「やっても無駄」という反対意見は、「たとえ無駄でも、何もやらないよりまし」という気持ちに勝てないのね、たぶん。
座して死を待つより、竹やりでB29を撃墜する努力をすべし、みたいな声に負ける。

そんな彼らを「やっても無駄」と説得するには、ひとつには、コストの話をするのが有効ではないかと思います。
いわゆる、「費用対効果で赤になるからやっても無駄」という説得をするわけ。
これは、説得力のあるコストと効果の算出が難しいという難点はあるけど、決まればかなり有効な方法だと思います。

で、もうひとつが、対案を出すことです。
これは言わずもがなですね。
逆に言えば、有効な対案が出せない場合は、反対意見はほぼ却下されると見て良いかと思います。

むろん、費用対効果の話や対案が出せれば誰も苦労しないという話なのですが。
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by kude104 | 2007-09-17 23:59 | PC&ネット