世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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A級戦犯と一括りに言うけれど

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 「分祀」是非踏み込まず 日本遺族会が初の勉強会

先日、城山三郎著の「落日燃ゆ」を読了したこともあり、この話題についてつらつらと書いてみよう。
とりあえず、「落日燃ゆ」を読んでの率直な感想としては、これ以後「A級戦犯」と一括りに言えないなぁというものでした。

「落日燃ゆ」の主人公広田弘毅は、外相として、また首相として、なんとか戦争を回避するべく最大限の努力を行うのだけど、結局ことごとく軍部の横暴に潰されてしまいます。
運悪くというか、日本が戦争に至るキーポイント、キーポイントで広田は重要なポストに就いていて、それはとりもなおさず、戦争回避の希望を託せる人材が広田しかいなかったということなのだけど、表面だけ見れば「広田にも責任あり」ということで、A級戦犯として処刑されてしまいます。
広田の処刑については、軍人だけでなく、文官からもだれか一人「戦犯」を出すべしという判断が働いたことは疑いようがなく、広田にとって不運なことに、広田以外の「戦犯」候補はみな自決や何やらでいなくなっていたために、彼にお鉢が回ったという感じです。
彼ほど戦争回避のために努力した人はいないだろうに、その努力をぶち壊しにした軍人たちの「仲間」として最後は処刑されるというのも、なにやら皮肉な話ですよね。
当の本人は「甘んじて受ける」という考えの方だったようですが、それでも今「A級戦犯」と一括りに唾棄されるこの状況というものは、少々不憫にも思えてきます。

「戦争の責任」を問うということでいえば、「A級戦犯だから」という判断材料はあまり当てにならないのではないか、という印象を強くしました。
それは「広田が含まれているから」というだけに限らず、たとえば、その時点で死亡していた者は裁かれていないわけですから。
また、「A級が一番悪くてBC級はそれよりまし」ということでもなく、たとえば、戦場での個々の「蛮行」で言えば、BC級戦犯のほうに大いに罪があるというケースも多々あるでしょう。

このへん思うのは、あの戦争をきちんと総括すること、すなわち、何が行われて、それについての責任がだれにあったのかということをきちんと明らかにすることを、戦後日本は行っていないために、極東国際軍事裁判のレッテルで語る以外にないのだということ。
極東国際軍事裁判が歪んだ裁判だったこともあるし、それにもまして、やはり自分たち自身できちんと総括することが重要だと思うのだけど、そこが抜けているので、戦争問題はいまだになんかふわふわしているなぁと感じます。

ということで、「A級戦犯を分祀すれば問題解決ってことにはなるまい」と思うわけですが、それについてはまた機会を改めて考えるということで。
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by kude104 | 2007-05-09 23:59