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世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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邪馬台国西日本説

NHKの「歴史の選択 邪馬台国はどこか ~近畿説 VS 九州説~」を見ました。
近畿説を聞くと近畿で間違いないような気がするし、九州説を聞くと九州のほうが正しいような気になるし、いやあ面白いですねー。

この番組は双方向企画ということで、視聴者が番組を見ながら、自分は近畿説を支持するか九州説を支持するかを投票することができます。
せっかくケーブルテレビになって地デジ対応になっているので、ぼくも投票してみようと思ったのですが、リモコンの使い方がよく分からなくて苦労しました。
(途中、ブラウザが開いてケーブルテレビのおすすめ情報などを見る羽目になってしまった)
それでもようやく、どうにかこうにか投票画面にたどり着いたと思ったら、なんか「通信料金がかかりますがよろしいですか?」みたいなことを言われたんで、「そこまでして投票するかぼけー」と止めてしまいました。
こんな手間のかかるものを投票する物好きさんがいるのだろうかと疑問に思うのですが、実際にたくさんいらっしゃるのだからすごい。
たぶんほとんどがケータイ投票なんでしょうね、きっと。

で、まぁ、そんな視聴者の投票結果では九州説支持者のほうが多かったですが、うーん、どうだろうか。
いちおう今回のテレビで放送された内容だけを元に考えてみれば、ぼくには多少近畿説のほうが有力な気がします。

根拠は、鏡の出土状況と古墳の規模・分布状況です。
これをみると、九州よりも近畿により強大な勢力があったことは、まず間違いないと思えます。
その勢力が邪馬台国とは別の勢力であった可能性もありますが、気になるのは鏡。
鏡が中国製だとすると、鏡を大量に所有していた勢力は当然中国と交流があったと考えるのが自然ですよね。
それが邪馬台国とは別にあったとしたら、魏志倭人伝などにその存在を思わせる記述がないのはやっぱり変に思えます。
なので、近畿にあった勢力が邪馬台国なのではないかと。

対して、九州説で気になるのは、鉄剣の出土状況でしょうか。
九州から圧倒的に数多く出土しています。
鉄剣も中国から伝わったものだとすれば、それが数多く出土する九州も候補として切り捨てがたい。
剣は九州、鏡は近畿。
両方とも近畿あるいは九州で多く見つかっていますというなら邪馬台国はそちらで決まりだと思いますが、そうなっていないのが面白いなぁ。

でも、だったら、こう考えるとどうだろうか。
武器といい城柵を持った遺跡といい、どうやら九州のほうが軍事的な備えは強そうです。
軍事的な備えが強いのはなぜかと考えると、九州人が戦闘氏族だったからというのではなく、単純にそこが戦争地域だったからと考えるべきではないでしょうか。
対して近畿で鉄剣の出土が少なかったのは、近畿はすでに平定され、鉄剣を多く必要としなかったからではないか。
そう考えると、自然とこう考えられます。

すなわち、近畿の勢力が中国地方を経て北九州から勢力を南下させて南九州を勢力下におさめようとしていたのだと。
九州は、言わば近畿勢力の最前線だったのではないか。
すると当然、武器は最前線たる九州へ送られ、そこで出土することになりますよね。
一方、鏡の使い道はどうかといえば、こちらは当然、すでに平定し支配下となった有力者たちに褒美というか主従関係の証として配られるのが自然です。
ですから、近畿周辺で出土する。

ということはだ、邪馬台国は近畿にあったのか九州にあったのかというのではなく、そのときすでに近畿から九州に至るまでの一帯を支配していたのではないでしょうか。
勢力の中心は近畿にあったと思います(その意味では、まぁ近畿説といえます)。
でも、最前線基地は九州にあったでしょう。

とまぁ、言ってしまえば近畿説と九州説のいいとこ取りというか、「もう、いっしょにまとめちゃえ」てな感じですが、そう考えればすべて説明がつくんじゃないのかなぁ。
べつに、近畿か九州かというように「地方勢力」の枠で考える必要はないと思うのだけど、ぼくの知らない何かの理由があるのだろうか。

東にどれだけ勢力が伸びていたかは今日のテレビ番組では分からないので、とりあえず、ここにぼくは「邪馬台国西日本説」を唱えます。
by kude104 | 2007-03-14 23:59 | テレビ