世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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10人の真犯人を逃しても1人の無辜を罰することなかれ

「それでもボクはやってない」を観てきました。
いやあ、怖い。怖い映画だったよ。

怖いと言っても、もちろんホラームービーの怖さじゃありません。
なんというか、自分が平気で歩きまわっているこの空間が、実は地雷原だったと知ってしまう怖さというか。

ぼくはテレビでも映画でも漫画でも、無意識に「自分ならどうするか」と考えながら観てしまう癖があるので、今回ももし自分が主人公の立場に立たされたら、痴漢に間違われたらどうするかと考えながら観ていたのですが、いやあ、アウトだね。
どうしようもないじゃないか。
間違われた時点でアウトと言わざるを得ない。

留置所などで、人としての尊重を著しく欠く扱いを受けるのも耐えられないけど、特に、もう頭から「お前がやったんだろう!」と決めつけられて、こちらの言うことは端から聴いてもらえないという状況がだめだ。
あれは怖いなぁ。
こちらの話をそれなりに尊重して聴いてくれる状況でさえあればどうにかなると思うんですよ。
でも、それが望めないとなると、どうしようもないよなぁ。

話としてはちょっと違うけど、不良であるとかそういうレッテルを貼られて信じてもらえない状況の絶望感というものも、たぶんこんな感じなんだろうな。
人間として尊重してもらえないというのは、これほど辛いことなのだなぁと、よく分かりました。

この映画で、悪意のある人間は誰もいない(痴漢以外は)。
誠意はないかもしれないけど、特別悪意があるわけではないというのが、逆に空恐ろしい。
司法あるいは警察の側の人間にとって、主人公は、その他大勢の中の一人でしかないわけで。
となると、日々のルーティンワークになっちゃうわけで。
でも、それで人ひとりの人生が左右されちゃうんだから、たまんないよなぁ。

「10人の真犯人を逃しても1人の無辜を罰することなかれ」

これは本当にその通りだと思いました。
今までは逆で、10人の真犯人を罰するためには1人の犠牲くらいはやむなしという考えでしたけど、改めた。
少なくとも、映画で描かれている司法制度が本当だとすれば(たぶん本当でしょう)、「犠牲やむなし」と言える代物では全然ない。
無辜の1人を罰することのないようあらゆる最善を尽くして、それでも・・・というのなら納得もできるけど、あんなシステムじゃ全然穴だらけじゃないか――と思ってしまいます。
もっと上手いシステムがありそうに思うんだけどなぁ。

ぼくとしては、狭く「痴漢冤罪の怖さ」というより、もう少し広く司法制度の怖さのようなものを感じさせられた映画でした。
楽しいとか面白いとかいうより、興味深い映画でしたね。
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by kude104 | 2007-03-02 22:17 | 映画