世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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P2Pの有効な使い道ってあるの?

文春新書出版、佐々木俊尚著「ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか」を読了しました。

前半のWinny事件のドキュメンタリーというかルポルタージュは面白かったのだけど、そのあとは話がOSやらオープンソースやら半導体やらに拡散して散漫とした印象を受けました。
ぼくとしては、Winny事件とそれに象徴されるインターネット時代の著作権の在りようについてをテーマに、一冊丸々書いて欲しかったですね。

で、そのWinnyについてですが。
WinnyそのものについてというよりP2Pについてこの本を読みながらつらつらと考えていたのですが、はたしてP2Pに『違法ファイル共有』以外の有効な使い道はあるのだろうか?
もちろん、あるかないかと言うと「ある」んだけど、ここで問うのは、一般に広く普及するほどの使い道ってことです。

考えてみたんだけど、まずはP2Pの特徴の一つである負荷分散。
従来のサーバ・クライアント方式ではサーバに負荷が一極集中してしまうので、それを分散させることができる、というもの。
これはたしかに大きなメリットなんですが、でもそれはサーバ側の事情であって、クライアントたるユーザにとっちゃ、知ったこっちゃないですよね。
ほとんどのユーザにとって、サーバが快適に稼働している状態が『あたりまえ』の状態であり、そんな中にあって、「サーバの負荷が分散されて快適になります」というメリットは、まるでP2Pソフトをインストールする動機にならないだろうと思います。
これは、サーバの処理能力や通信速度、それにかかるコストなどが、P2Pが必要になる以上のスピードで進化したのが大きいと思います。
今P2Pネットワークをいちから作るコストを考えたら、たいていは、サーバを増設したほうが安くつくんじゃないでしょうか。

次に、従来のサーバ・クライアント方式ではサーバを押さえればネットワークを押さえることができるけど、P2Pには『中央』が存在しないのでコントロールできないという特徴。
この特徴が大きなメリットとなるケースとは、逆に考えると、外部の勢力にサーバが抑えられる可能性のあるケースです。
普通に合法的なサービスで、それってありえるでしょうか。
同様に、P2Pが持つ高い匿名性についても、これがP2P利用の大きな動機になるケースというものが、合法的なサービスで思い浮かびません。

P2Pの有効な活用法として、たとえば、言論の自由の無い国での政治活動であるとか、内部告発とか、そういった用途には大きな威力を発揮すると思うのですが、少なくとも日本ではそんな用途では普及しないだろうし。
2ちゃんねるがあればOK、みたいな。
動画ファイルの共有なら、YouTubeがあればOK、みたいな感じだし。

P2Pの合法かつ有効な使い方として唯一思いつくのは、スカイプのようなシステムくらいかなぁと思います。
ファイルの共有ではなくて、コミュニケーションツールとしての使用。
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by kude104 | 2007-02-02 23:59 | PC&ネット