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世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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すごいよ!!木村さん

昨日放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」には感動したというか、尊敬する気持ちと呆れる気持ちとがない交ぜになったような感じでした。

不可能といわれた化学農薬や化学肥料を一切使わないりんご作りを成功させた木村さんのお話だったのですが、今でこそ「奇跡のりんご」を作るすごい人ってなもんですが、そこに至るまでに要した時間は、なんと8年。
8年ですよ。

「8年がんばれば成功する」と分かっていても8年って長くて「耐えられるかしら?」ってなもんなのに、「もしかして、このまま成功せずに終わるのではないか」という不安と戦いながらの8年間は、はっきり言って常人に耐えられる期間じゃない。
すごい。
すごいのを通り越して、呆れてしまう。

しかも、その8年間はまったくりんごが作れなかったそうです。
りんご農家がりんごを作れないのだから、当然収入はゼロ。
キャバレーの呼び込みや出稼ぎをして、どうにか食い扶持を稼ぎながらの8年間だったそうです。
生活の基盤がきちんとあって、道楽で8年間だったらまだ分かりますよ。
あるいはお給料をもらいながらの8年間だったら分かる。
でも、3人の子供を抱える5人家族の生活を懸けて、成功するとは限らない(むしろ、誰もが失敗すると思っている)8年間を戦い抜くなんてのは、ぼくにしてみれば正気の沙汰じゃない。

実際、木村さんも何度も「もう駄目だ」と思ったそうです。
ついには、自殺しようとまで追い詰められたそうです。
死に場所を求めて岩木山をさまよい、そこでふと目にしたドングリの木で栽培のヒントをつかむ──なんてドラマチックなエピソードが語られていましたが、これが6年目のことです。
ここからさらに2年ですよ。
死を決意するまで追い詰められて、それで神様が救いの手を差し伸べてくれたのかと思いきや、そこからまだ2年も苦しむんですから。
壮絶。

本当に、よくまぁ生き延びたものだと。
よく心が折れなかったものだと、ただただ感心する。
勇者だ。

そんな壮絶な8年間を戦い抜いた木村さんが、実に好々爺然とした見るからに人のよさそうな人だったのが、すごく印象的でした。
やっぱり、一念岩をも通すような人って、才気走った切れ者じゃなくて、ある種愚直なタイプなんだろうなぁと思いました。
by kude104 | 2006-12-08 22:15 | テレビ