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世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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奇蹟の引き分け

昨日、イングランド対パラグアイ戦で消沈したかに思えたワールドカップ熱ですが、その後に行われたトリニダード・トバゴ対スウェーデン戦を観て復活。
いやー、こちらは実に面白いゲームでした。

何が面白かったのかを振り返ると、この試合は「見どころ」が分かりやすかった。
まず、トリニダード・トバゴ。
未だにどこにあるどんな国かよく知らないですが、とにかく、ワールドカップ初出場だとか。
ワールドカップ初出場の初試合で、相手は強豪スウェーデンですよ。

この試合、誰がどう見たってスウェーデンの勝ちで決まりだと思いますよね。
問題は勝ち負けではなく、スウェーデンが何点取れるかだ、みたいな。

ぼくも初めはそのつもりで観ていたのですが、試合が始まると、トリニダード・トバゴが必死に守るんですよ。
試合内容はまさしくスウェーデンが一方的に攻める展開なのですが、トリニダード・トバゴはFWひとりを残して全員守備というくらいの体勢で、良く守るんですよこれが。
攻め込まれてあわあわと防戦一方というのではなくて、攻撃的に守っているというか。

つまり、当然といえば当然なのですが、この試合におけるトリニダード・トバゴの勝利条件は、引き分けて勝ち点1を取ることなんですね。
選手全員がそのことを理解して、そのために全力でプレイしているという感じがひしひしと伝わってきました。
強いチームが引き分けねらいだと面白くも何とも無いですが、ワールドカップ初出場チームが強豪チームを相手に全力で引き分けをねらう姿は、まさに「戦っている」姿そのものです。
最初はどちらかというとスウェーデン側で見ていたぼくですが、気がつけば、トリニダード・トバゴを応援していました。

そんなトリニダード・トバゴですが、後半、選手のひとりがレッドカードで退場になってしまいます。
もう駄目だと、その瞬間思いましたね。
せっかく面白い試合だったのに、これでもうバランスが崩れて駄目になったと。
あとはスウェーデンに点を取られて終わるんだろうなぁ・・・と。

でも、終わらなかった。
10人で最後まで守り抜きました。
これには本当に感動した。
日本チームでもない、決勝トーナメントでもない試合で、自分が残り時間をじりじりとにらみながら応援することになろうとは、まさか思いもしませんでした。
しかも、トリニダード・トバゴって、どこにあるかも分からない国に。

ひとり少なくなって10人で守りきらなきゃならないという時に、敢えてFWの選手を投入した監督さんの采配とかね、しびれました。
コーナーキックのチャンスを得たときも、いくら得点のチャンスと言ってもトリニダード・トバゴとしては引き分けねらいなんだし、普通は上がらないですよね。
下手に上がればカウンターを食らう危険があるんですから。
なのに、監督さんの指示は「上がれ上がれ」でした。
この人はすげぇと思った。

得点はなりませんでしたが、こういう攻めの姿勢が、最後まで守りきれた理由だったのかなぁと思います。
引き分けねらいなんだけど、隙あらば勝つぞという姿勢を見せることが、スウェーデンへのプレッシャーになったのだろうと思います。

試合終了のホイッスルが鳴って、歴史的な勝ち点1を手にしたトリニダード・トバゴの選手やサポーターの皆さんが、まるで優勝したかのように喜んでいる姿は実にいいものでした。
初出場ってのは、初々しくていいですね。

トリニダード・トバゴにとっては、この引き分けはたぶん奇蹟的だろうと思いますが、それでも、あれよあれよと奇蹟が続いて決勝トーナメントに進出したら面白いだろうなーと、ひそかに応援しています。
by kude104 | 2006-06-11 18:43 | テレビ