「ウェブ進化論」は大本営発表か
2006年 05月 25日
「ウェブ進化論」がどことなく胡散臭く映るのは、やはりオプティミズムのせいだと思うんだよね。
梅田さんは、ウェブの表も裏も光も影も分かった上で、敢えて明るいほうを提示することで、これからの大変革に立ち向かうチャレンジ精神を育てようとしていらっしゃるのだと思います。
そういう姿勢は好きです。
でも、ぼくは天邪鬼なもんだから、ついつい「ホントかなぁ・・・」と斜に構えて読んでしまいます。
たとえばWeb2.0。
Web2.0とは、ネット上の不特定多数に自社のアプリケーションやデータ(リソース)を開放して、自由に使ってもらうようにすることで、まったく新しいサービスや広がりが勝手に作り出されることを期待する戦略と言えるでしょうか。
たとえば、Googleが「グーグル・マップス」という地図データ&アプリケーションを公開したことで、それを使ったサービスやらなにやらがわっと現れました。
たしかに、かつてなら独占され“門外不出”であっただろう貴重なリソースを、「誰でも自由に持って行って自由に使ってくださいよ」とばかりに、不特定多数にタダで開放したというインパクトは大きい。
そして、それによって、一社で独占するよりもはるかに多様で広がりのあるサービスが誕生すれば、「Web2.0って素晴らしい!」となるのは当然です。
でも、Googleはべつに社会奉仕で自分の持っているリソースを開放しているわけではない。
Googleが「グーグル・マップス」を公開できたのは、Googleが「地図の会社」じゃないからでしょう。
しかも、いずれは「グーグル・マップス」に広告を載せて自社の収益にしようという戦略があってのことだろうと思います。
Amazonが自社の商品データベースを開放しているのだって、そうすることでより多くの客さんがAmazonを利用することになるからでしょう。
言うなれば、携帯電話の端末をタダで配って、通話料や通信料で儲ける戦略と同じじゃないかと思うのです。
ビジネス的な面では。
実に巧いやり方だと思うし、みんなも恩恵を受けられるし、たしかにWeb2.0って素晴らしいと思う。
でも、ことさら「開放性」とか「不特定多数を信用する」とかそちらばかりが強調されると、まるでGoogleが採算度外視で理念だけでWeb2.0をやっているように思えてくるからアブナイ。
「よし、うちもWeb2.0だ」とばかりに、勘違いして通話料や通信料までタダで開放しちゃったりしてね。
「明るい未来」を強調するのはオピニオンリーダーの使命だと思う一方で、下手をすればアジテーターになりかねないよな・・・と思います。
梅田さんご自身は、今のところWeb2.0の最前線に立っていらっしゃるわけではない(と思う)。
たとえば、コンサルタント業のノウハウ(?)をデータベース化して開放したり、「Web進化論」にしてもPDFファイルなどで開放していらっしゃるわけではない。
意地悪い見方をすれば、前線に向かう兵士を大本営から鼓舞していらっしゃるようにも見える。
前線の兵士にしてみれば、敵が目の前に迫っていて明日の命も知れないときに「大義名分を言われても!」みたいな。
べつに「梅田さんも前線に立て」と言いたいわけではないし、「Web進化論」にケチをつけているつもりもありません。
だって、梅田さんはおそらく全部わかった上で書いてらっしゃいますもんね。
きっと、「アジテーターになろうともやむなし」なんでしょう。
そういう姿勢はすごく好きです。
梅田さんは、ウェブの表も裏も光も影も分かった上で、敢えて明るいほうを提示することで、これからの大変革に立ち向かうチャレンジ精神を育てようとしていらっしゃるのだと思います。
そういう姿勢は好きです。
でも、ぼくは天邪鬼なもんだから、ついつい「ホントかなぁ・・・」と斜に構えて読んでしまいます。
たとえばWeb2.0。
Web2.0とは、ネット上の不特定多数に自社のアプリケーションやデータ(リソース)を開放して、自由に使ってもらうようにすることで、まったく新しいサービスや広がりが勝手に作り出されることを期待する戦略と言えるでしょうか。
たとえば、Googleが「グーグル・マップス」という地図データ&アプリケーションを公開したことで、それを使ったサービスやらなにやらがわっと現れました。
たしかに、かつてなら独占され“門外不出”であっただろう貴重なリソースを、「誰でも自由に持って行って自由に使ってくださいよ」とばかりに、不特定多数にタダで開放したというインパクトは大きい。
そして、それによって、一社で独占するよりもはるかに多様で広がりのあるサービスが誕生すれば、「Web2.0って素晴らしい!」となるのは当然です。
でも、Googleはべつに社会奉仕で自分の持っているリソースを開放しているわけではない。
Googleが「グーグル・マップス」を公開できたのは、Googleが「地図の会社」じゃないからでしょう。
しかも、いずれは「グーグル・マップス」に広告を載せて自社の収益にしようという戦略があってのことだろうと思います。
Amazonが自社の商品データベースを開放しているのだって、そうすることでより多くの客さんがAmazonを利用することになるからでしょう。
言うなれば、携帯電話の端末をタダで配って、通話料や通信料で儲ける戦略と同じじゃないかと思うのです。
ビジネス的な面では。
実に巧いやり方だと思うし、みんなも恩恵を受けられるし、たしかにWeb2.0って素晴らしいと思う。
でも、ことさら「開放性」とか「不特定多数を信用する」とかそちらばかりが強調されると、まるでGoogleが採算度外視で理念だけでWeb2.0をやっているように思えてくるからアブナイ。
「よし、うちもWeb2.0だ」とばかりに、勘違いして通話料や通信料までタダで開放しちゃったりしてね。
「明るい未来」を強調するのはオピニオンリーダーの使命だと思う一方で、下手をすればアジテーターになりかねないよな・・・と思います。
梅田さんご自身は、今のところWeb2.0の最前線に立っていらっしゃるわけではない(と思う)。
たとえば、コンサルタント業のノウハウ(?)をデータベース化して開放したり、「Web進化論」にしてもPDFファイルなどで開放していらっしゃるわけではない。
意地悪い見方をすれば、前線に向かう兵士を大本営から鼓舞していらっしゃるようにも見える。
前線の兵士にしてみれば、敵が目の前に迫っていて明日の命も知れないときに「大義名分を言われても!」みたいな。
べつに「梅田さんも前線に立て」と言いたいわけではないし、「Web進化論」にケチをつけているつもりもありません。
だって、梅田さんはおそらく全部わかった上で書いてらっしゃいますもんね。
きっと、「アジテーターになろうともやむなし」なんでしょう。
そういう姿勢はすごく好きです。
by kude104
| 2006-05-25 23:59
| PC&ネット