世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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パトロンシステムにもリターンが必要

パトロンシステムを機能させるためには、お金を払ってくれるお客さんにどういったリターン・メリットを提供できるかという部分を考えなければならない。
従来のパトロンシステムは、この部分がものすごく弱いと感じています。
何だかんだ言っても、お金を払ってくれる人の自己満足、それ以外のリターンを提供できていないのではないでしょうか。

もちろん、「あなたの投げ銭が素晴らしいコンテンツを生み出す源です」という大義名分があります。
しかしながら、もし自分が投げ銭をしなければ明日からコンテンツがなくなるかと言うと、たいていの場合、そんなことはない。
なにも自分が負担しなくても、誰かが負担してくれるだろうと、まぁたいていの人はそう思うでしょう。

自分のほかに10人くらいしか居ないなら、「あなたの」という呼びかけはストレートに届くだろうと思います。
100人くらいなら、どうだろう。まだ届くでしょうか。
1,000人になったら、もう苦しいですよね。
一万人だと、おそらく届かない。
しかも、ネット上の顔の見えないコミュニティではなおさらです。

「あなたの投げ銭が素晴らしいコンテンツを生み出す源です」という大義名分で人々に訴えかけるやり方は、不特定多数を相手にするネットではなかなか思うように届きません。
投げ銭システムでよく引き合いに出される大道芸人さんたちですが、彼らにしても、目の前のお客さんに訴えかけるから届くのだと思います。
もし、彼らの芸を動画にしてネット上で投げ銭を集めようとしても、まず上手く行かないのではないでしょうか。

また、クリエイターのほうに「どうしても投げ銭が欲しい!」という「がっつき」感がないことは以前にも挙げました。
クリエイターにとって投げ銭が「もらえたらラッキー」という程度なら、裏を返せば、「もらえなくても別にかまわない」ということです。
投げ銭をする側からすると、そういうふうに映る。
「だったら、わざわざ自腹を切って投げ銭することもないよなー」という気持ちになってしまうでしょう。

それでもせっせと投げ銭してくれる人がいたとします。
でも、待遇は基本的に、投げ銭をしてくれる人もそうでない人も同じです。
「私の投げ銭が実って、こんなにいいコンテンツが出来あがった」と満足感に浸っていると、横で投げ銭していない人が同じようにコンテンツを利用している。
そんなことが何度も何度も続くと、「なんで自分ばっかり身銭を切っているのか」という気持ちが湧いてきても不思議はない。

もちろん、投げ銭をするというのは、見返りや他人のこととは無関係に、自分の満足感で行うものです。
でも、たとえば誰も運賃を払わないバスで、自分だけが運賃を払いつづけることは出来るでしょうか?
投げ銭というのとは違うけれど、誰も守らないルールを守り続けることで自分が損をしているような気持ちになることって、他にも多々ありますよね。

これだけの悪条件が揃っている中で、それでも投げ銭をしてくれる人に対して、「投げ銭は自己満足ですから、あなた自身で満足感を感じてください」と言うのは、いくら何でも無茶だよなぁと思います。
正論ではあるんだけど、正論の押し付けみたいになってしまっている。

最終的には自己満足ということになるのだけど、投げ銭をしてくれた人の自己満足感を最大化するような工夫がパトロンシステムに必要です。
やっぱり、「投げ銭して良かったー」と思ってもらいたい。
そのためには、大義名分以外にも、なにか分かりやすいリターンが必要だろうと考えます。

それについては、また次回。
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by kude104 | 2006-05-18 23:59 | PC&ネット