世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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「声の網」は予言書なのか?

星新一著「声の網」を読了。
電話が高度に発達&普及した社会を舞台にした物語です。

面白いかというと、エンターテインメント性はあまり高くないと思う。
星新一特有の、落ちの”カタルシス”がないので。
が、"entertaining"ではないかもしれないが"interesting"ではある。
なにかこう、「興味深いものを読んだ」という満足感というか、考えさせられるというか、読んで損したという気はしない。

冒頭にも述べたように、舞台は電話が高度に発達&普及した社会。
読んでいると、「ははーん、インターネット社会を電話に置き換えて風刺した、これは一種の寓話だな」と思う。
物語の中の「電話」を「パソコンとインターネット」に置きかえれば、今の社会を多少オーバーに描写した物語といった印象です。
「このくらいのSF的発想なら、ありがちだなぁ。星新一らしくもない」と一瞬思いそうになるけど、いやいやとんでもない。

この小説が書かれたのは、巻末の解説によると、1970年だという。

まじで?
ぼくの生まれる前ですよ。
インターネットはおろか、電話ですらプッシュフォンじゃなくてダイヤルを回す”黒電話”の時代じゃないですか?

そんな時代に書かれた小説が、今の時代に読んで、「これ、ネットを電話に置き換えただけじゃん」くらいに思われそうな”未来像”を描いているというのは、すごいというのを通り越して何か神がかったものを感じてしまいます。
「これは小説というより、予言書なのではないのか?」という。
現状があまりにこの本のとおりになっているので、ならば未来もこのとおりになるのではないかという気がしてきてちょっと怖い。

読んでいて、「Googleは神?」みたいな話題が連想されました。
これこそが、最古のGoogle本と言っていいんじゃないでしょうか。

星新一というのは、恐ろしい人だなぁ。
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by kude104 | 2006-04-27 21:40 |