世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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もしも、ネット広告をカットするブラウザが登場したら

先日のテレビCMの話は、地デジとワンセグが普及すればテレビCMの有り様は否応なく変わるんじゃないかと思えば、たいした問題でもないと思えてきました。
それより面白いのは、「もしも、ネット広告をカットするブラウザが登場したら」という妄想のほうです。
これ、非常に妄想のし甲斐がある。

たとえばいま、GoogleがMicrosoftを脅かしているとか、両者が次代の覇権をかけて争っているとかそんな見方があります。
Googleのほうが優性だと見る向きが多いでしょう。
ぼくもそうです。

しかしここで、Microsoftが次のIEに「広告カット機能」を乗っけてきたらどうか。
たったこれだけのことで、Google帝国は大きく勢力を後退させるのではないか。
もちろん、Googleの収入源は広告だけではないとしても、「Googleピンチ!」となれば株価は大きく下がるだろうし、かなり痛いことは間違いないはず。

考えてみれば、Googleがいくらあちら側に強大な帝国を築いても、それをこちら側につなぐ窓をMicrosoftが握っている以上、閉められたら終わりです。
もしGoogleを倒そうと思ったら、まさにここが急所なのではないかと思える。

体裁はあくまでも、見たくない広告をユーザが自分の意思で非表示に出来る機能としてリリースする。
でなければ、Microsoftが自身に都合の悪い情報をブラウザに表示させないようにしているとして、非難されてしまうから。
しかし、ユーザが自分の意思で非表示にしているとなれば、Googleはそれに対して文句を言うことは出来ない。
広告の表示を強要すれば、逆にGoogleのほうが非難されてしまう。

もっとも、Google広告だけを非表示の対象とするのはあまりにも露骨です。
よって、バナー広告など、すべての広告を非表示の対象とするべきでしょう。
しかしそうなると、影響はGoogleだけに留まりません。
おそらく、ほとんどのWebサービスが壊滅的な打撃を被ることになる。

「だから、そんなことはできっこないでしょ?」と思うのはちょっと早い。
面白いのはここからですよ。

ネット広告をカットして、代わりに、Microsoftがブラウザ広告サービスを始めるというシナリオはどうだろう。
ブラウザに広告枠を設けて、そこに広告を表示するサービスです。

ちょっと考えただけでも、これが途方もない可能性を持っていることに気がつく。

ブラウザでユーザが何をどのように閲覧しているかという情報を握れるということが、広告ビジネスにとってどれだけ決定的か。
それは、Webページを解析して最適な広告を配信することの比ではない。
なにしろ、直接ユーザに最適な広告を配信できるのだから。

ブラウザに広告を表示するというビジネスモデルはこれまでにもありましたが、その時代には無かった発想というのが、膨大な情報をストレージし、解析することで、有意な情報を生み出すという手法です。
単にブラウザにバナー広告を表示するだけの広告サービスと、ユーザのネットサーフ履歴を蓄積し解析することで、最適な広告を表示する広告サービスとでは、まったく違う。
単なるバナー広告とGoogle広告との違い以上に違う。

さらに、従来のネット広告では、早い話、リンクがクリックされたという一点、ページが表示されたという一点でしかユーザの行動を把握できない。
しかし、ブラウザ広告なら、ブラウザ側でユーザの行動をトレースすることで、どのリンクからどのページに移動し、そこでどのくらいの時間を費やして別のページに移動したかといったことが、連続した線として把握できる。
加えて、ユーザの年齢や性別といったプロフィールデータをブラウザに登録させることで、ユーザの属性ごとのアクセス状況まで把握できる。
これが広告の世界で、どれほどの価値を持つかは考えるまでもない。

もちろん、そのような個人情報の提出をユーザが快く思うはずがない。
なので、ユーザにも個人情報を提出するのに見合うメリットを用意する。
ブラウザ広告は、だれがどの広告をどれだけ見たかというデータを把握できるのだから、閲覧した広告に応じてユーザに謝礼を支払うシステムを作ることも可能です。
つまり、これまでのように、メディアが広告料を受け取るのではなく、ユーザが直接広告料を受け取る仕組みが作れるということです。

ユーザに広告を見てもらうために、広告を見てもらえるようなコンテンツを作るメディアに広告料を支払うというのは、広告主の立場で考えれば回りくどい。
だったら直接、広告を見てくれたユーザに広告料を支払えばいい。

だが、このような”中抜き”をされると、今ある無料Webサービスが壊滅するというのは、改めて言うまでもない。
そうなったら、ブラウザ広告も成り立たない。
そこで、対策としては二通りが考えられる。

ひとつは、ブラウザ広告で手に入る莫大なお金を使って、壊滅して行く無料Webサービスを片っ端から買収して回る方法。
かなり安く買い叩けるだろうけど、これはさすがに悪者になるな。

もうひとつは、ページビューや訪問者数などに応じて、サイト運営者にコンテンツ料を支払う方法。
ユーザの行動をトレースできるということは、サイトの”視聴率”を測定できるということです。
だったら、その視聴率に応じて、コンテンツ料を支払えばいい。

現行の、主にクリック型の広告システムだと、広告収入の多少とサイトの良し悪しとは必ずしも一致しない。
一見さんが多く、そのサイトに求める情報がないほうが、広告がクリックされる可能性が高かったりする。
その点視聴率型なら、常連が多く、サイト内滞在時間が長いサイトほど、より多くの収入を得ることが出来る。
こちらのほうが、明らかに理想的だ。

つまり、ブラウザ広告サービスとは、広告主からサービス運営者が広告料を集め、それをユーザとサイト運営者に分配する仕組みである。
自らの意思でこのサービスを利用するならば、広告主もサービス運営者もユーザもサイト運営者も、全員がWin-Win-Win-Winな関係を築くことが出来る。

──なんて妄想は、どうだろう。
ブラウザ広告サービス、かなり良いとこ突いてるんじゃない?
事業化の際は、ぜひぼくも混ぜてください。
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by kude104 | 2006-04-22 22:30 | PC&ネット