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世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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テレビCMを強制する前にネット広告を見習え

コデラ ノブログ: コマーシャル視聴は強要できるか [ITmedia +D Blog]

機械的に、そして強制的に、CMをスキップできないようにしてしまおうというこのような考え方には、かなりの抵抗を覚える。
CMスキップ問題がテレビ局にとって大きな脅威であることは分かるが、だからといって、これはひどい。

「かつてはスキップできなかったCMをスキップできるようになった」というのが技術的な進化方向であり、人間の欲求に合致する方向でもある。
それを再びスキップできなくするするというのは、明らかに進化の流れに逆行する行いだ。
時代が変わっているというのに、あの手この手で旧来のビジネスモデルにしがみ付こうとする様は、実に浅ましくていやらしい。

──と、思うわけだけれど、では、こういう思考シミュレーションをするとどうかと自分に問うてみる。

Webページにあるすべての広告を非表示にするブラウザ登場!みたいな。
あるいは、記事部分だけを抽出して表示してくれるRSSリーダー登場!でもいい。
要するに、テレビ番組におけるCMカットを、Webの世界に置き換えて考えてみようということだ。

テレビ番組の視聴者よろしく、Webページの訪問者とて、別段広告を見たいわけではない。
無いなら無いに越したことはないだろう。
おそらく広告なんて無いほうが、見やすいページになるはずだ。
アフィリエイトがメインコンテンツな場合を除けば。

そのようなツールが登場し普及すれば、おそらく、今ある無料Webサービスのほとんどは壊滅的なダメージを被るだろう。
そうなったとき、人々はいったいどういった反応を見せるだろうか。

たとえば、GoogleAdsenseがカットされるとなれば、Googleが強権を発動し、そのツールをGoogle八分の刑に処すなんてことも、有り得ない話ではない。
それはけっこう浅ましくていやらしい行動だけど、でも、大部分の人はある程度の理解を示すのではないかと思う。
GoogleAdsenseを利用している人は本音では支持するだろうし、そうでない人も、無料Webサービスが次々と壊滅して行く様を見れば、支持せざるを得ない。

そう考えれば、この不快感は、時代に逆行するとか強権を発動するとかそういうことではなく、単純に自分にとってメリットデメリットどちらが大きいかということでしかないと気づく。

テレビCMが無くなれば民放テレビ局が壊滅的なダメージを被るというところではWebサービスの話と同じだけど、明らかに違うのは、テレビCMが圧倒的に邪魔だということ。
ネット広告も邪魔なものは、その広告収入で運営していますうんぬん関係無く、排除される運命にある。
ポップアップ広告が良い例だ。

そう考えれば、ネット広告は、いかに邪魔にならずに広告効果を上げるかという工夫を凝らして進化してきたように思う。
アフィリエイト広告やGoogleAdsenseは、その進化の先頭にある。
対するテレビCMはと言えば・・・おそらく、まったく進化していない。
番組の途中にCMを挟むという形そのままだ。
(最近になって、番組の中で商品を紹介するといったことがされるようになってきたけど)
ビジネスモデルが古いというなら、まずその前に、CMスタイルが古いという点に工夫の余地が有るのではないか。

CMスキップ禁止なんて対策が、いつまでも通用するはずがない。
いずれ決壊する。
かといって、番組を有料化するのも難しい。
となれば、結局やっぱり広告料に頼らざるを得ないわけで、だったら、新しいCMのスタイルを探すしか選択肢はないのではないか。

もちろん、今のCMスタイルをやめるとなると、おそらく広告効果は下がらざるを得ないし、スポンサー料も下がらざるを得ないだろう。
ですから、血のにじむようなコスト削減や、新しい収入源の開拓が必要になるだろうけど。
そのくらいの企業努力はやっていただきたい。
それをやらずにCMスキップ禁止というのは、安易な増税論にも似たりって感じで腹が立つ。
by kude104 | 2006-04-20 23:59 | テレビ