「潰す批判」がなんなのか見えてきたような?
2006年 03月 31日
前回の「クリエイターだって、いやな批判には文句を言えばいい」にトラックバックを頂いたので(TAK-BLOGさん、ありがとうございます)、この話題をもう少し膨らませてみようかと思います。
「いや、それとして…、じゃなくて、そこが1番肝のような気がします(笑)」と、ツッコミどころにきちんとツッコミが返ってくるというのは、嬉しいものですね。
あのときは、この「非対照な立場の違い」について言及すると話が違う方向へ行ってしまいかねなかったので「それはそれ」としたわけですが、これがひとつの肝であるとはぼくも思っています。
だからこそ、あんなふうに一言書かずにはいられなかったわけで。
図らずも本日更新の、板倉雄一郎事務所: お知らせ「週末のお知らせ」の中ほどから述べられています「価値と価格の比較」「価値と価格の交換」といったあたりの考え方が、ぼくが前回「客もクリエイターも対等」と言いたかったあたりの話になっているのではないかと思います。
まず、世の中にはこの「等価交換」について理解できていない人が多いのではないかという気がしていて、前回はそこを押さえときたかったんですね。
で、この理解を阻んでいる要因はなにかと考えたときに、ひとつは「お客様は神様です」と殊更持ち上げていい気分にして買わせようとする売り手の姿勢、そしてもうひとつが「非対照な立場の違い」ではないかと考えています。
しかしまぁ、そういった話は、まず前提として「等価交換」についての理解がないと成り立ちませんから、あの場は「それはそれとして」と軽く流しました。
と、ここまでの話はそれこそ、それはそれとして。
”潰す批判”問題は、もう少し根が深いというか、別の根があるのではないかとぼくは考えています。
商品の価値が購入前に適正に判断できるようにすることで、お怒りの批判が激減することは間違いないでしょう。
ここに異存はない。
一般的な家庭用ゲームでも、体験版とかどんどん出せば良いのにと心から思います。
ただ、そういう「価値と価格の比較」から生じる批判の声というのは、とくに問題ないと思うのです。
”潰す批判”とは何かという定義が曖昧なまま話しているので、このへん非常にあいまいな話になってしまいますけど、ぼくがイメージしている”潰す批判”というのは、もっと性質の悪いものです。
たとえば、AmazonのFF12のレビューには、発売前からネガティブなレビューが多数寄せられていたと聞きます。
これなんかは、「価値と価格の比較」を行わずになされた批判と言えるでしょう。
ですから、いくら「非対照な立場の違い」を埋めようと努力しても、こういう批判は無くならないのではないかと思うのです。
そして、「非対照な立場の違い」を埋めるための手立て、すなわち、購入前に商品の価値を測る一番いい方法はなにかというと、現状では、他のユーザのレビューを見ることではないでしょうか。
でも、そのレビューが「価値と価格の比較」を行わずになされているとしたら、歪んだ価値しか測れません。
それを元に買う買わないを判断しても意味がないし、むしろ有害かもしれません。
と、ここまで書いて、なんとなく自分の思うところが見えてきました。
要するにぼくは、価値を測らずになされる批判をノイズと見なしているのですね。
ノイズにはノイズとしての価値があるとする向きもあるでしょうが、ぼくには、購入前の商品価値を測る際の障害としか思えないですから。
他人の批判に対して「お前ホントに遊んだのか」と文句を言いたくなる気持ちも、「価値を測らずに批判してんじゃねーのか」という気持ちなんじゃないでしょうか。
批判されていることに腹を立てているのではなく、価値が”不当”に歪められていることに腹が立つ、という気持ち。
話が客のほうばかりになってしまいましたが、クリエイターにとっても、価値を測った上でなされた批判というのは、たとえどんなに耳に痛い批判でも、それで潰れてしまうことはない気がします。
クリエイターを潰すのは批判じゃなくて、剥き出しの悪意じゃないかと思います。
あー、そうじゃないまっとうな批判に対しても耳をふさいだり潰れちゃうクリエイターのことは、ぼくは知りません。
そーゆークリエイターを手厚く保護しようとまでは、さすがに思いませんので。
なんだか、書いているうちに話のポイントがずれてしまった気もしますが、つまりは、客にとっていかに価値と価格を近づけるか(あるいは、価値>価格とするか)という問題でしょうか。
そのために、現状ではユーザレビューがもっとも利用されているのだけど、ノイズが多いと使い物になら無くなるので何とかしたい。
何とかするための方法はいろいろあるというか決定打がないので、あーだこーだ考えましょう、みたいな。
前回は、ノイズを減らすためにクリエイターがもっと声を出しても良いんじゃないかという話でした。
根本的な解決には、ユーザレビューのシステムを工夫するとか、レビュー以外の別の何かが必要な気がしますけど。
「いや、それとして…、じゃなくて、そこが1番肝のような気がします(笑)」と、ツッコミどころにきちんとツッコミが返ってくるというのは、嬉しいものですね。
あのときは、この「非対照な立場の違い」について言及すると話が違う方向へ行ってしまいかねなかったので「それはそれ」としたわけですが、これがひとつの肝であるとはぼくも思っています。
だからこそ、あんなふうに一言書かずにはいられなかったわけで。
図らずも本日更新の、板倉雄一郎事務所: お知らせ「週末のお知らせ」の中ほどから述べられています「価値と価格の比較」「価値と価格の交換」といったあたりの考え方が、ぼくが前回「客もクリエイターも対等」と言いたかったあたりの話になっているのではないかと思います。
まず、世の中にはこの「等価交換」について理解できていない人が多いのではないかという気がしていて、前回はそこを押さえときたかったんですね。
で、この理解を阻んでいる要因はなにかと考えたときに、ひとつは「お客様は神様です」と殊更持ち上げていい気分にして買わせようとする売り手の姿勢、そしてもうひとつが「非対照な立場の違い」ではないかと考えています。
しかしまぁ、そういった話は、まず前提として「等価交換」についての理解がないと成り立ちませんから、あの場は「それはそれとして」と軽く流しました。
と、ここまでの話はそれこそ、それはそれとして。
”潰す批判”問題は、もう少し根が深いというか、別の根があるのではないかとぼくは考えています。
商品の価値が購入前に適正に判断できるようにすることで、お怒りの批判が激減することは間違いないでしょう。
ここに異存はない。
一般的な家庭用ゲームでも、体験版とかどんどん出せば良いのにと心から思います。
ただ、そういう「価値と価格の比較」から生じる批判の声というのは、とくに問題ないと思うのです。
”潰す批判”とは何かという定義が曖昧なまま話しているので、このへん非常にあいまいな話になってしまいますけど、ぼくがイメージしている”潰す批判”というのは、もっと性質の悪いものです。
たとえば、AmazonのFF12のレビューには、発売前からネガティブなレビューが多数寄せられていたと聞きます。
これなんかは、「価値と価格の比較」を行わずになされた批判と言えるでしょう。
ですから、いくら「非対照な立場の違い」を埋めようと努力しても、こういう批判は無くならないのではないかと思うのです。
そして、「非対照な立場の違い」を埋めるための手立て、すなわち、購入前に商品の価値を測る一番いい方法はなにかというと、現状では、他のユーザのレビューを見ることではないでしょうか。
でも、そのレビューが「価値と価格の比較」を行わずになされているとしたら、歪んだ価値しか測れません。
それを元に買う買わないを判断しても意味がないし、むしろ有害かもしれません。
と、ここまで書いて、なんとなく自分の思うところが見えてきました。
要するにぼくは、価値を測らずになされる批判をノイズと見なしているのですね。
ノイズにはノイズとしての価値があるとする向きもあるでしょうが、ぼくには、購入前の商品価値を測る際の障害としか思えないですから。
他人の批判に対して「お前ホントに遊んだのか」と文句を言いたくなる気持ちも、「価値を測らずに批判してんじゃねーのか」という気持ちなんじゃないでしょうか。
批判されていることに腹を立てているのではなく、価値が”不当”に歪められていることに腹が立つ、という気持ち。
話が客のほうばかりになってしまいましたが、クリエイターにとっても、価値を測った上でなされた批判というのは、たとえどんなに耳に痛い批判でも、それで潰れてしまうことはない気がします。
クリエイターを潰すのは批判じゃなくて、剥き出しの悪意じゃないかと思います。
あー、そうじゃないまっとうな批判に対しても耳をふさいだり潰れちゃうクリエイターのことは、ぼくは知りません。
そーゆークリエイターを手厚く保護しようとまでは、さすがに思いませんので。
なんだか、書いているうちに話のポイントがずれてしまった気もしますが、つまりは、客にとっていかに価値と価格を近づけるか(あるいは、価値>価格とするか)という問題でしょうか。
そのために、現状ではユーザレビューがもっとも利用されているのだけど、ノイズが多いと使い物になら無くなるので何とかしたい。
何とかするための方法はいろいろあるというか決定打がないので、あーだこーだ考えましょう、みたいな。
前回は、ノイズを減らすためにクリエイターがもっと声を出しても良いんじゃないかという話でした。
根本的な解決には、ユーザレビューのシステムを工夫するとか、レビュー以外の別の何かが必要な気がしますけど。
by kude104
| 2006-03-31 23:59
| PC&ネット