世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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ライラの冒険

以前に「読書がつまらなくなった」と書きました。
その状況を打破するために選んだのが、いわゆる「ライラの冒険」シリーズと呼ばれるファンタジー小説でした(はてなダイアリーキーワード参照)。

ようやく昨日、全6冊を読み終わったのですが、久々に読書が楽しかった。
実に面白い小説でした。

思えば、ずっと国産ミステリーばかりを読んでいた気がします。
それでマンネリになっちゃった部分があるのかなと思って、読む本を180度変えてみたんですが、これが正解。

海外の翻訳ものって、やっぱり文章の感じが違いますね。
日本語と英語の言語的な違いだと思いますが、ずっと日本語の文章ばかりを読んでいたので、けっこう新鮮でした。
加えて、いちおう児童文学ということもあってか、難しい言い回しや過度に凝った表現のない、シンプルでリズミカルで小気味良い文章で、とても読みやすかったです。

でもって、少年少女の冒険物語ってのは、やっぱり理屈抜きに面白い。
「シンプルにドキドキワクワクしたい」と思って選んだんですけど、まさに期待を裏切らずといった感じです。

なんかもうあれだ、サイコキラーだとか幼い頃のトラウマだとか愛憎劇だとか、そーゆーゴチャゴチャしたのって疲れるんですよ。
もっとこう、壮大で、命がけで、真っ直ぐで、ハラハラドキドキするような物語が読みたかったんだ俺は!みたいな。

ただまぁなんというか、この小説。
その魅力を語るのはかなり難しい。

いちおう児童文学だし、ファンタジー小説だし、少年少女冒険ものだし、たしかにそういう分類に納まる小説ではあるのだけれど。
子供向けかというと、違うだろう。

体裁はたしかに子供向けだけど、「子供向け」という遠慮がない。
かなり、登場人物がリアルに死んでいくし。
主人公である少年が人を殺すシーンがあったりして、けっこう驚いた。
普通の小説でも躊躇するだろうに、児童文学でそれを描いちゃうの?みたいな。

だいたい、小説を貫くテーマが「神を殺して、人間の尊厳を勝ち取ろう」みたいな話というか、わりと過激にキリスト教的なものを否定する物語になっている。
これ、日本人からすれば「ふ~ん」ってなもんですけど、キリスト教文化圏でこの物語は受け入れられるの?ってちょっと心配に思ってしまうくらいです。
ま、文学賞とか取っているから、大丈夫なんでしょうけど。

そういう難しいことは抜きにして、話の展開だけでも存分に面白い。
最後の最後まで、物語がどこに着地するか読めない。
物語が壮大で、あっちこっちに風呂敷が広がっていって、いったいどう畳むつもり?と心配になるくらいだし、人間関係が濃密で複雑で、どの登場人物の行動がどの登場人物に影響を及ぼして、それが物語をどう展開させるのか読めない。

発売時期やジャンルがかぶっているので、『ハリーポッター』と並べて語られることも多いようだけど、『ハリーポッター』の面白さが大人も子供も同じく楽しめるものなら、この小説の面白さは、大人と子供とでかなり違うのではないかと思う。

その点では、ビジネス的には、商品の市場でのターゲット層と実際のターゲット層とにずれがあるのではないかと思える。
それゆえ、これが『ハリーポッター』のようにベストセラーになることはなさそうです(日本では)。

でもまぁ、ぼく個人が「出会えた」から、それで良し。
いやー、最後の巻なんてもう、心震えっぱなしだったもんね。
年甲斐もなく、感動した。
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by kude104 | 2005-11-18 23:16 |