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世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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ジェノサイドを止めるのは誰か

NHKスペシャル「ジェノサイドを止めるのは誰か」を観る。
アフリカはスーダンのダルフールで起きている大量虐殺(疑惑)についての特集です。
「疑惑」と付けたのは、この件は国際社会上は『ジェノサイド』扱いではないそうなので、ちょっとした皮肉を込めて。

しかしまぁなんというか、いろいろなプレイヤーの思惑が複雑に絡み合っていて、難しい問題ですなぁ。

こういう問題に対しては、基本的には当事者が自分たちでどうにかすべき問題だろうと思っていたんですね。
この場合で言うと、スーダン政府(国民)が自分たちで解決しなければ、根本的な解決にはならないだろうと。

でも、今回この番組を観ていて、やっぱり当事者に解決を期待するのは無理かもなぁ・・・と思わされました。
そりゃそうだ、当事者に冷静で客観的な立場で行動しなさいと言ったって、無理に決まってる。
だって、当事者だもん。

こういうのは、利害関係の無い第三者が「調停役」として治めなければ、なかなか納まるものではない。
しかし、利害関係が薄ければ薄いほど、関心も薄くなる。
結果、本気でどうにかしようなんて気運は、なかなか高まらない。
そりゃそうだ、誰だって利害関係のないところに、血と汗と金を注ぎたくは無いもんね。

難しいもんです。

そんな現状を動かそうと思ったら、やはり、国際的な関心をダルフールに向けさせ、多くの人々の「なんとかしなければ」という機運を高めることで国際社会を動かし、国連を動かし、スーダン政府を動かし、虐殺に関わる人々を止めるしかないでしょう。

でも、そんなものは夢物語だと思う。
だって、言ってしまえば、アフリカで何万人が死のうと知ったこっちゃ無いもん。

ぼくらにとっては、ダルフールのジェノサイドより、たとえばロンドンの同時多発テロのほうが重大事でしょう。
下手すりゃ、直立するレッサーパンダや元相撲取りの兄弟喧嘩のほうが関心事かもしれません。
多様皮肉っぽく言っていますが、それが“正常”な感覚だと思うのです。

もし仮に、世界中の人々がひとつになって、国際社会を動かすことが出来たとしても、そんな奇跡はまぁ百年に一度あるかないかじゃないでしょうか。
それでは、ダルフールは救えても、次のジェノサイドは救えない。

だから、世界中の人々が声を大にして・・・みたいなやり方は、おそらく当事者が客観的な立場で・・・と同じくらい、期待できない話だと思う。
もっと別なシステムが必要なんじゃないだろうか。

思うに、人々の良心に期待するやり方では、不確実すぎるんです。
べつに人間の良心を疑っているわけではないですが、ブラウン管の向こう側の悲劇に親身になれるほど、人間の仲間意識は強くない。
だから、そういう“感情”に期待するのではなく、もっとシステマチックなやり方を探るべきなんじゃないかと考えます。

たとえば。
国際社会に対する各国の貢献度を数字としてはじき出す数式を作ります。
まぁ、そんな数式が実際に作れるかは分かりませんけど、仮に作れたとして。
それで各国をランク付けします。

で、その貢献度ランキングを、オリンピックの誘致や万博の開催などといった国際的なイベントのホストとなるための資格に組み込むわけです。
「国際的な貢献度の低い国に、国際的なイベントのホスト国になる資格は無い」ってことで、筋は通りますから。

そうすりゃ、各国はせっせと国際貢献に努めるんじゃないでしょうか。
なんというか、そういう「人の善行」をシステムに組み込んでサポートするような工夫って、大事だと思うんですよね。

『無償の善行』しかできない社会より、『打算の善行』ができる社会のほうが、きっとたくさんの人が幸せになれると思う。
国際問題についても、そういう道があるんじゃないかなーと思う次第です。
by kude104 | 2005-07-09 23:49 | テレビ