世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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僕らは玉砕しなかった

NHKスペシャル『僕らは玉砕しなかった ~少年少女たちのサイパン戦~』を見ました。
個人的に先の大戦にけっこう興味があるので、こういうのはちょいちょい見るんですが、いつ見てもやっぱりヘヴィーですね。

番組の内容は、先の大戦の激戦地のひとつで、軍はもちろん、民間人も全員玉砕したと(戦争当時)言われていたサイパンで、実は一万数千人が捕虜となって生き延びていたんですよといった内容。
それでも当時サイパンに住んでいた民間人の半数は「玉砕」されているので、「なんだ、けっこう生き残ってんじゃん」と思うわけにもいかない。

そして、亡くなられた方の多くが「自決」であるというのが、なんともはや、やり切れない思いを強くする。

この「生きて虜囚の辱めを受けず」という価値観。
今のぼくらの時代からすると、「なんてバカみたいな」と思うんだけど、今の価値観で当時のことを「愚かしい」と言っていいのだろうか・・・とも思う。

当時の日本人は、捕虜になると死より悲惨な目にあうと本気で信じていただろうし、それは「迷信」だったかもしれないけど、あの当時には非常に説得力のある「事実」だったろうことは、容易に想像がつく。

だから、兵士が民間人を巻き込むために嘘をついて騙したというよりは(そういうケースもあったろうけど)、兵士も本気でそう信じていたんじゃないかと思う。
それが良かれと思って自決を勧めていたんじゃないかと。
だって、そうじゃなきゃ、手榴弾を配ったりしないでしょ。
貴重な武器だもん。

そう思えばこそ、この「本気で良かれと思ってやった」ことが、のちのち振り返ると非常に愚かな行為だったという皮肉が、実に切ないなぁと思うのです。

そして、当時の日本で「捕虜になっても殺される」と強く信じられていたということは、裏を返せば、当時の日本人・日本兵の間に「捕虜は人道的に扱わなければならない」という常識があまり浸透していなかったのではないか。
だとすると、いろいろなところで言われている旧日本兵の悪行も、まったくない話ではないなぁと、そんなことを思ったりもしました。

結局は、正しい知識と正しい情報がいかに大切かということでしょう。
「捕虜は人道的に扱わなければならない」という知識があれば、また、捕虜になれば助かるという情報があれば、死なずにすんだ命がいっぱいあっただろうに。

そのへんは番組でも、当時の報道の責任を問う箇所がありました。
サイパンで住民全員が潔く玉砕したと報じられたことが、続く沖縄の悲劇を多少なりとも招いたのではないかと。
その当時の“報道”に「朝日新聞」をもってくるあたりに、NHKのしたたかさを見る思いではありましたが。

あと、あれだ。
どうして日本人は米国を恨みに思わないのかというのも、こういう番組を見ていると良く分かる。
戦時中が辛くて辛くてギリギリのギリギリまで追い詰められて、その中で生き延びた人にとっては、米軍が解放者でもあるんだね。

これって考えてみればスゴイことだよなぁ。
米軍と戦うことより、生き伸びる戦いのほうが熾烈だったんですよ、きっと。
これがもっと楽に負けていたなら、たぶん恨む元気も残っていただろうと考えると、当時の日本人がどれほどギリギリまで自国の運命に付き合ったのかが良く分かる。
すごい国民だ。

サイパンに、バンザイクリフという崖がある。
たくさんの日本人が天皇陛下万歳と叫びながら身を投げたことからその名が付いた崖です。
その名を聞くたびに、なんという由来かとしんみりするんだけど、うちのIMEはバンザイクリフを「\(^o^)/クリフ」と変換しやがった。

平和だなぁ。
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by kude104 | 2005-07-02 23:59 | テレビ