世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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おかあさんの顔

昨日はおそらく丸一日このExciteブログが落ちていたようで。
よくわかりませんが、たぶん何か深刻なトラブルでも起きたんでしょうね。
担当の皆さんはおそらく徹夜で復旧作業、ごくろうさま。

さて。
本来なら昨日書くはずだったネタなんですが、水曜日の深夜にNHK教育で放映していたアニメ『ふたつのスピカ』について。

先日が最終回だったわけですが、なんか、ものすごい中途半端な終わり方でビックリしてしまいました。
打ち切りというわけではないようですが、毎週けっこう楽しく観ていただけに、「もうちょっとキリのいい所まで続けても良いのではないか」と思ってしまいました。

このアニメ、最初はぜんぜん期待していなかったんですけど、けっこう泣かせるいいアニメでさぁ。
とくに印象に残っているのが、たしか第5回放送の『おかあさんの顔』という話。
これは、いまでも思い出すとしみじみしちゃうくらい、完成度の高い話でした。

(以下、普通にネタバレします)

まずあれだ、主人公・アスミのお母さんは事故で全身に大火傷を負い、しばらく植物人間のようになったあと、死亡します。
このアニメの第1回放送が、このお母さんのお葬式から始まるという、考えてみればなかなかけっこうヘヴィーな展開です。

で、アスミが覚えているお母さんの姿は、全身包帯巻きのミイラ人間のようになって横たわるお母さんの姿だけ・・・という前置きがあって、さあ第5回です。

学校で家族の絵を描くことになり、アスミはお母さんの似顔絵を描き始めます。
でも、アスミはお母さんの顔を知らないですから、ミイラ人間のような絵を描いて周りの子供に「オバケだオバケだ」と騒がれてしまいます。

その数日後、アスミは誤って川に転落して臨死体験をするわけです。

あの世とこの世をつなぐ場所で、アスミはお母さんに出会います。
お母さんは全身包帯巻きで目が見えないので、あの世に行けずに立ち往生しています。

そんなお母さんの手を引いて、二人はいっしょにあの世に向かって歩き始めるのですが、そこで自分の名前を言うと現世には帰れなくなるというルールがあるため、アスミは自分が「アスミ」であることをお母さんに言うことができません。

やがて、三途の川のようなところに到着し、ふたりは小舟に乗り込みます。
しかし、小舟はピクリとも動かない。
押そうとアスミが降りたとたんに、小舟はスーっと対岸へ動き始めます。

たぶん、その川を渡ると『成仏』できるんでしょう。
ゆっくりと遠ざかる小舟の上で、お母さんは包帯が取れて在りし日の姿になり、目も見えるようになります。
そこでお互いがお互いを認識しながら、遠ざかっていくわけです。

現世で意識を取り戻したアスミは、父親に母親に会ったことを告げるんですが、そのときのセリフがまたいい。
「お母さんね、すごくいい匂いがしたんだ──」

これ、第1回放送のお葬式で、母親の匂いを嗅ごうとするアスミを見て、近所の人が「死んだ人の臭いを嗅ぐなんて・・・」と陰口をたたくシーンがありまして、その伏線をここで拾っているんですね。
実に効果的です。

で。
ここまではまぁ、普通に「ええ話やなぁ」と感動していたわけですが、ここからのオチの付け方がもう感嘆しちゃうくらい素晴らしいもので。
いい意味で裏切られた!というか、自分が思い描いた着地点よりはるかに素晴らしいところに着地した。

最初の、学校で描いた『おかあさんの絵』に戻るわけです。
お母さんの顔を知らないアスミが描いた包帯グルグル巻きのお母さんの顔。
そりゃまぁ不憫なもんですよ。

それが、あの世でお母さんに会って、素顔を見ることが出来たわけです。
当然、そのお母さんの素顔の絵に描き直すと思うじゃないですか。

でも、オチとして映ったお母さんの絵は、最初に描かれていた包帯人間の顔に、笑っている表情の目と口が描き込まれたものだったんですよね。
これにはマイッタなぁ。

きっと、アスミにとってのお母さんの顔は、笑っているかどうかで、包帯巻きであるかどうかなんてどうでもいいことなんだなぁという。
これ以上ないくらい、美しいオチです。

描き直すなんて、このオチに比べりゃたしかに陳腐だよなぁと思いますね。
こういう、自分の予想を上回るものを見せられたときは、素直に感嘆するほかありません。
見事でした。

アニメは終わってしまいましたが、原作となる漫画本があるようなので、機会があれば読んでみたいなぁと思います。
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by kude104 | 2005-06-17 19:22 | テレビ