世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

レスラー

昨日は映画サービスデーということで、「レスラー」を観てきました。
なんというか、とても哀しいお話やね。

まず、主人公の姿が痛々しい。
いちおう、かつてのスーパースターなのだけど、今じゃすっかり全盛期を過ぎていて。
プロレスだけじゃ生活できなくて、バイトで生計を立てているのだけど、家賃の支払いもままならない。

長年の肉体の酷使とステロイドなどの使用で、体はボロボロ。
ぐるぐる巻きのテーピングや、張りのない肌。
試合後、よろよろと歩く姿や、椅子に座りうなだれ疲れ果てた背中が切ない。

そしてついに心臓発作で倒れてしまい、一命は取り留めるのだけど、プロレスはもう無理だと医者に告げられます。

引退を決意した彼は、新しい人生を歩もうと決意します。
別れた娘との関係の修復を図ろうとしたり、思いを寄せていた女性にアプローチしたり、スーパーの総菜コーナーで慣れない接客の仕事を始めたり。

それがなんか、上手くいきそうな感じになるんだよね。
「なんだ大丈夫そうじゃん。レスラー辞めても、上手くやっていけそうじゃん」って。
もちろん、それが前振りだってことは見え見えなんだけどさ。
だけど、この時ばかりは主人公が本当に幸せそうで、「そうあってほしいなぁ」と願わずにはいられないわけよ。

でも、やっぱり上手くいかなくて。
娘との関係修復には失敗し、思いを寄せていた女性にはフラれ、スーパーの総菜コーナーの仕事は我慢できなくなって辞めてしまいます。
そうして何もかも失った彼には、もうプロレスしかなかったのでしょう。
だから彼は医者の警告を無視して、レスラーとしてリングに復帰します。

このラストの復帰を、「夢よもう一度」的な男の生き様と捉える人もいるでしょうが、ぼくにはとてもそうは思えませんでした。
あれは・・・言うなれば、「自殺」なんだろうなぁ。
すべての退路を断たれて、諦めの境地で希望や苦悩が消え去って、最後に晴れやかな心で敵陣に玉砕突撃を仕掛けるような。

劇中の会話の中で、イエス・キリストの受難と磔刑を描いた映画「パッション」についてのセリフがありました。
おそらく、主人公の姿をオーバーラップさせているのだろうなぁ。
ファンのために血を流しながら処刑台に向かうイエスのようなものとして。
イエスは処刑の後に復活しますが、そのとおり、主人公も復活しえたのかなぁ。

とまぁ、そんな感じで。
観る前は「ロッキー・ザ・ファイナル」みたいなのを想像してましたが、タイプとしては真逆な映画でした。
楽しいシーンはたくさんあるけど、総合して楽しい気分の映画じゃないね。
プロレスの試合も、基本流血デスマッチなので「ひぃぃぃ~」って感じだったし。

でも、心に残る映画でした。
[PR]
by kude104 | 2009-07-02 23:22 | 映画