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世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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「オープンソース」と「バザールモデル」

今日は「オープンソース」と「バザールモデル」の違いについて調べてみよう。

「世の中をより良い方向に導くと思われるテーマがネット上で公開されると、そこに無数の知的資源が集結して課題を次々に克服していく」というのは、「オープンソースじゃなくて、バザールモデルだ」というけれど、バザールモデルって何?という話。

ひとことで言えば、「オープンソース」はソフトウェアの在りよう、「バザールモデル」はソフトウェアの開発手法って感じでしょうか。

バザールモデルの説明としては、バザール方式 とは:ITproによると、
参加者が,独自性を尊重された環境において自由に開発を行い,その成果を街頭市場(バザール)のように持ちより,よいものを残しながら1つのソフトウエアを作り上げていく方式
だそうです。

言葉の登場の順番としては、「フリーソフトウェア → バザールモデル → オープンソース」の順になるのですね。
フリーソフトウェアのひとつであったLinuxが開発事例として非常に成功したので、Eric Steven Raymond氏がその開発手法を分析し「バザールモデル」と名付け、論文にした。
その論文に影響を受けたNetscape社が自社ソフトウェアの開発にバザールモデルを採用し、それにあわせて(?)「オープンソース」という用語が作られた。
――というのが、「オープンソース」と「バザールモデル」の関係になるでしょうか。

バザールモデルを実現させるためのソフトウェアの在りようを「オープンソース」としてまとめたと考えるならば、バザールモデルで開発されるソフトウェアは必然的にオープンソースになりますね。
一方、オープンソースだからと言って、必ずしもバザールモデルによる開発がなされるわけではない。
なぜなら、オープンソースであっても、「その成果を持ちより、よいものを残しながら1つのソフトウエアを作り上げていく」という部分がなければ、バザールモデルにならないからです。

とはいえ、誕生の経緯を見れば、もともとのオープンソースはバザールモデルによる開発を目的としたソフトウェアであったと言えるでしょうし、現在でも、バザールモデルでない「伽藍方式」を採用するオープンソースはほとんどないと言っていいんじゃないでしょうか。

用語が持つ元々の意味として、フリーソフトウェアが、自由なソフトウェアであることを目的としてソースコードを公開するのに対して、オープンソースは、バザールモデルによる開発を目的としてソースコードを公開する、と言えるのかもしれません。
たとえば、「伽藍方式」で開発されるオープンソースソフトウェアは、オープンソースではなく、フリーソフトウェアと呼ぶほうがしっくりくるように思います。

ということは。
「オープンソース・ライセンス」にはたしかにバザールモデルを意味するものは含まれませんが、「オープンソース」には、目的として、「バザールモデルによる開発」が含まれていると見るのは、実はそう間違った話ではないのではないか・・・という気がしてきました。
梅田さんの「オープンソース的」という発言も、あながち「誤用」ではないのではないか・・・と。
by kude104 | 2009-06-25 18:36 | PC&ネット