世の中の物事についてあれこれ考えるkudeの日記


by kude104
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鉄人兵団をリメイクするなら 完結編

前回の続き。

鉄人兵団にあえて「疵」と呼べるものがあるとするなら、それは「過去を作り変えることで危機を乗り切る」ラストであろうと思います。

その理由として、ひとつには、今回この手を使ったなら、次回あるいは前回、言ってしまえばすべての危機は、これと同様過去を作り変えることで乗り切ればいいじゃないかと観客に思われてしまってはいけないということ。
過去の作り変えというのは禁じ手に近いくらいの万能策なので、できることなら使わないのが無難です。

ふたつには、タイムパラドックスが発生してしまうこと。
もちろん、SFにおいてタイムパラドックスが発生すること自体は問題ではありません。
が、これはひとつ目の話にも通じますが、鉄人兵団の場合、タイムトラベルが危機を乗り切るためだけに伏線もなくラストでいきなり使用されます。
それゆえ、ご都合主義的な印象を与えてしまっているように思います。

みっつには、ジュドのところでも書きましたが、いくら敵でありロボットであるとはいえ、こちらの正義でもって一方的に消滅させてしまって良しとすることに、多少の居心地の悪さを覚えること。
ちょっと独裁的な感じがしますよね。
ま、多かれ少なかれ物語は独裁的にならざるを得ないのですが、それなら武力でもって屈服させるほうがまだ健全に思えます。
過去を作り変えて消滅させるというのは、屈服のさせ方としては、なんかちょっと圧倒的すぎるやろと。

そうした理由から、ラストを「過去の作り変え」以外で締めるアイデアをいくつか考えたのですが・・・悔しいかな、「過去の作り変え」以上のアイデアを思いつくことができませんでした。

それほどに、あのラストの展開は神すぎる!

しずかとリルルが過去に戻ってからのリルル消滅→天使になったの展開は、まさに神がかり的と言うほかありません。
鉄人兵団を名作たらしめている要素の8割は、このラストの展開にあるといってもいいんじゃなかろうか。
これを壊してしまっては、なんのためのリメイクだか分からなくなってしまいます。

あのラストを保つためには、どう考えても、リルルはやはり消滅しなければなるまい。
単に壊れるとかではダメでしょう。
あの、握手を交わした瞬間に跡形もなく消滅するところがたまらない。
消滅して、そして、天使に生まれ変わらなければならない。
消滅するだけでは悲劇が勝ちすぎるところを、最後に「天使になった」という希望を残すバランスが素晴らしい。
メカトピアの建国神話はもとより、思えば序盤にリルルが空を飛ぶことすら、リルルが天使になることへの伏線だし。

リルルを消滅させ、しかも「天使に生まれ変わったに違いない」という希望を残す展開を可能にするアイデアなんて、過去を作り変える以外にぼくには思いつきませんでした。
でも、せっかくのリメイクごっこの完結編をオリジナルのままで終わりとするのも面白くありませんから、せめてもの一工夫を加えてみよう。
以下、「見てるか、B級!?  ドラえもん のび太と鉄人兵団」を参考に、オリジナル版のラストを思い浮かべながらどうぞ。

しずかとリルルは過去に戻り博士にロボットを改造してくれと頼むのだけど、それは無理だと断られてしまいます。
「優しさ」や「思いやり」のような複雑な感情は、とてもプログラムできるものではないこと。
また、もし仮にできたとしても、それで本当に未来が変わるとは限らないこと。
未来は人々(この場合はロボットたち)の選択の積み重ねで作られるものだから、いくら過去の一点を作り変えたとしても、そんなものはこの先連綿と続く人々の選択の前では無意味に等しい。
ロボットたちが自らの意思で平和な未来を選択しなければ、それは訪れないのだと博士は言います。

ならば、わたしの記憶をアムとイムにコピーしてほしいとリルルは博士に頼みます。
わたしの記憶には地球で学んだ優しさが詰まっているから、それをメカトピアの未来に託したいと。
のび太やしずかたちと過ごした日々の思い出がみんなにもあれば、メカトピアはきっと平和な未来を選択してくれると信じているから。

そんなことをして、もし本当に未来が変わったなら、きみは消滅してしまうかもしれないぞ。
それでもいいのかと博士はリルルに尋ねます。
かまわない。
「だって、静香さん、私、本当の天国を作るのよ。
 そして私は、メカトピアの天使になるの」

博士はリルルの記憶をアムとイムにコピーします。
はたして本当にメカトピアは平和な未来を選択してくれるのか──!?

「リルル!!」
「静香さん、うまくいったみたいね。良かった……。
 今度生まれ変わったら……天使のようなロボットに──」
「リルル、あなたは今、天使になってるわ」
「うれしい……涙なんか流すロボットなんて、変よね?」
「二人は、ずっと友達よ」
「おともだち……」
「リルルー!!」

リルル消滅。
ロボット兵団も消滅。
このとき、ジュドにもひとこと別れのあいさつをさせてあげたいですね。
そして日常に帰って、のび太がリルル(の幻?)を見て、「そうさ、リルルは、天使さ」で、おしまい。


以上、6回に渡ってお送りしてきました「ドラえもん のび太と鉄人兵団」リメイクごっこ、これにて終了とさせていただきます。
長らくのお付き合い、まことにありがとうございました。
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by kude104 | 2009-04-08 23:59 | 映画